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天気予報でよく聞くけど「エルニーニョ現象」って何?

天気予報でよく聞く「エルニーニョ現象」ってありますよね。あの意味ってなんでしょうね。妻ピノ子に意味を聞いてみたところ「ブラジルのうまいサッカー選手」と言っていましたが、これは違うでしょう。

本当はどういう意味なのか?

沖縄に住んでいると、「エルニーニョ現象」を耳にする頻度も多いような気もするので、これを機に調べてみました。

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赤道付近で海の水温が上がる現象

まず、エルニーニョ現象を言葉で説明するとこんな意味。

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。

引用:気象庁 | エルニーニョ/ラニーニャ現象とは

ざっくり言うと、赤道らへんの海水温度が暖かくなる現象です。この温度変化によって様々な影響が起こると言われています。
わかりやすい図を探して、ざっくりとイラストにしてみます。

ちなみにイラストの主な資料にしたのは、気象庁の図と、NIKKEI STYLEの記事挿絵です。確実に私のより正確なのできちんと理解したい方はこちらをご覧ください。

エルニーニョ現象
図の上が太平洋を中心とした地図。図の下の方は、海の断面図です。

通常、海の海面温度は、アメリカの太平洋側で冷たく東南アジア側で暖かくなっているそうですが、貿易風が弱まると、東南アジアの方にいる高気圧がアメリカ側に寄ってきてしまい、広範囲の海面が暖かくなってしまいます

仕組みを詳しく説明すると

上の仕組みについて詳しく説明してみます(意味は同じなので読み飛ばしても大丈夫です)。

通常時の状態

通常状態
こちらが通常の状態。海水温度は、暖かいのがインドネシア側、アメリカ大陸側は冷たい海水が水面へあがっています。

貿易風
これは貿易風なる風が西側へ向けて吹いており、

太平洋高気圧
太平洋高気圧(日本に夏をもたらすやつ)、こいつが、通常貿易風によってインドネシア側へ常に押しだされているためです。

積乱雲
この時、積乱雲(夏場の入道雲を想像してください)は、インドネシアを中心にアジアの方で、活発に発生します。

要は日本に暑い夏が来るかたちですね。

偏西風
偏西風(日本へ涼しい空気を運ぶ風)は、この時、高気圧に押されて北の方を吹いています。

通常時
まとめるとこんな感じ。これが通常時。

通常時の海面温度は、インドネシア周辺が暖かく、アメリカ大陸川は冷たい状態です。

エルニーニョ現象が起こるとどうなるか

さてこちらがエルニーニョ現象が起きている状態。

エルニーニョ現象が起きている
アメリカ大陸側の冷たい海水が、水面まで来ない。暖かい海水がインドネシアの方から南アメリカの方まで来ている。おかげで水面の温度が高くなっています

貿易風弱め
このとき、往々にして貿易風が弱いそうです。

太平洋高気圧
貿易風が弱いと、太平洋高気圧がインドネシアの方まで押し出されません。

積乱雲
すると、積乱雲も、いつもより東の方で起こりやすくなります。

偏西風が南下
高気圧が来ないので偏西風もいつもより南下します。偏西風=日本へ涼しい空気を運ぶ風なので、日本は涼しくなります。

エルニーニョ現象
まとめるとこんな感じ。これがエルニーニョ現象なのです。

エルニーニョで、色々と気象環境に変化が起こる

海面温度が上がるだけなのに、一体何が問題やねんとなりますが、非常に広い範囲の海面が1年にも渡って暖かくなるため、問題はでます。

エルニーニョ現象は平年と違った気象条件を引き起こすため、世界中に影響があるのです。

異常気象が起きやすくなる

まず、世界的に見れば、異常気象が起きやすくなるのが問題です。

「海面温度がずっと高い=気象的にはずっと暑い状態」ですので暴風雨が発生しやすくなります。湿った大気が流れ込んだところでは、雨続きの日が増えたり、また、夏場の気候変化が、冬場にも影響し、十分に寒くならなかったりもします。反対に高気圧がいつもと違う場所に行くおかげで、偏西風(冷気を持った風)の吹く位置がずれ、涼しくなってしまったりもします。

例えば、オーストラリア・アフリカなどでは、エルニーニョ現象が起きた時は、干ばつが問題になったりします。ヨーロッパは温暖で過ごしやすい気候になるようですが、アメリカでは強いハリケーンが起きやすくなったりもするそうです。

日本だと冷夏・多雨・暖冬になりやすい

日本付近は夏場、涼しく、冬場、温かくなる傾向があります。偏西風(冷気を持った風)の位置がずれる影響を受けるのです。

冷夏や暖冬によって、農作物の不作(=野菜の高騰)や、季節商品の売上が落ちるなど、いろいろと社会影響もあります。天気予報やニュースが取り上げるのは、ここに理由があると言えます。

※エルニーニョ現象中の気象変化は予測がつきにくいものらしく、必ず冷夏・暖冬・多雨になるわけではありません。

漁獲量の変化が起こる

エルニーニョ現象
エルニーニョ現象時の図をもう一度見てみます。

エルニーニョ現象が起こると、深海の冷たい海水が海面まで上がってきません。深海の水は酸素をふんだんに含み、栄養も豊富なため、魚の餌となるプランクトンを育みます。その深海が上がってこないため、漁獲量が減ってしまうことも起こります。

世界中で、いろいろな影響が出てくるんですね。

エルニーニョ現象による変化は予測がつきにくい他、発生原因も確定していないそうです。そういう部分も、天気予報やニュースで大きくアナウンスされる理由なんでしょうね。

エルニーニョはスペイン語で「男の子」の意味

それにしても「エルニーニョ」って名前、インパクトあるなぁ、と思って名前の理由を調べたところ、もともとスペイン語で「子供」って意味なんですね。

詳しくは気象庁のサイトに書かれていました。
気象庁 | よくある質問(エルニーニョ/ラニーニャ現象)

もともとは、ペルーの漁民がクリスマス頃に起こる小さい規模の暖流のことを「エルニーニョ」と呼んでいたそうです。つまり、「エルニーニョ=男の子=神の子イエス」的な意味合いがあるみたいです。

きっと昔のペルーの漁民の人々は、波が暖かくなっているのを見つけると、「お、今年もイエスの坊やがやってきたっぺかなー、ありがたやありがたや」と言っていたのでしょう。

ちなみに水温が下がる方のラニーニャ現象というのもあって、こちらの「ラニーニャ」は女の子の意味です。

エルニーニョ・ラニーニャでセットで覚えられますね。

沖縄ではサンゴの白化も問題に

沖縄では、海水の温度が高すぎる状態が続くと、サンゴが「白化現象」という仮死現象を起こします。サンゴの中にある、サンゴ虫などを追い出し、まるで骨のように真っ白になり仮死状態になってしまうのです。自然環境にも、切実な問題が起こるようです。

エルニーニョ現象は、まだ原因がきちんと解明されている現象ではないようです。私たちに直接的な影響はないものの、世界規模での気象変化によって、様々な影響が起こるものですので、きちんと知っておくと良いですね。

ひとつ勉強になりました。

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