沖縄のIT企業に転職した後、県内で独立してフリーランスをしている人と話してみた
今回は、「沖縄県内で独立してフリーランスをしている人」にお話しを聞いてまいりました。
沖縄に移り住んでからのキャリアパスについて考えている方にとっては、何か参考になるかもしれませんよー!
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フリーランスでご活躍されるシラトリさん!
今回、お話されたのはこのかた!
現在、フリーランス(個人事業者)としてご活躍中のシラトリさん(37歳)です!
パッと見は、楽器のうまいアーティストさんのようですが、主なお仕事は、ウェブプロデューサー・ディレクターさんです。
私たち、みなみの家夫婦とは仕事の関係でお会いすることもあり。でも改めて沖縄移住のアレコレを聞いたこともなかったので、この機会にインタビューしてみました。
楽器が似合うので、(お店に飾られていたギター)背景に入れておきますね。
おっ、まるで僕が弾けそうですねぇ〜笑
という感じの”ほんわかキャラ”なシラトリさん。ほんわかインタビュー、スタートです!
沖縄の採用はレスポンスが早かったので、あっという間に沖縄へ
Q、沖縄移住の経緯を教えてください
沖縄の前は、東京都内で妻と息子(現在6歳)の3人で暮らしていました。
ただ、2011年の震災で家族の不安が強くなり。原発報道とかですね。
震災が沖縄移住のきっかけだったんですね。
はい。
それをきっかけに、”東京を離れて暮らしてみるのも選択肢”だと、色々と検討したんですよね。
あ、ただ、僕の場合、もともと沖縄だけが候補地だったわけではないんですよ。
あ、ほかにも候補地があったんですね。
妻が原発から離れている県っていうので、探してくれました。そうしたら「岡山」と「沖縄」が候補にあがって。
なんと岡山!
もっと言うと、「シンガポール」や「イギリス」などの海外も移住先の候補でした
英語が話せるのですか?
探してみると、海外でも「日本語のみでOK」みたいな求人もあるんですよー。
でも日本語学校の事務ばかりで。もともとウェブプロデューサー業務だったし、畑の違う仕事をずっとやり続けるのはつらいなーと思って、沖縄になりました。
沖縄にはウェブのお仕事があったということですか?
そうですね。
仕事という意味だと岡山もありました。でもその時は、たまたま沖縄の会社のほうが、採用対応のレスポンスが早かったんです。
ほら、沖縄ってテレビ電話で打ち合わせが、普通の感覚じゃないですか?
あー!テレビ通話!
採用面接もテレビ電話して良かったので、あっという間に進んで。一方の会社は郵送で書類審査のやりとりから。それに2週間、みたいな。
なるほど、全然スピード感が違いますね
しかも、沖縄の会社は”旅費は出すから一度、沖縄を見に来てください”とオファー頂いて。
おー!ありがたいですね!
うん、やはり、その時になると現地に招いていただけるのは嬉しかったです。
そういうところにも、すごく採用いただくことに熱意を感じ。で、あっという間に沖縄へ笑
ご家族や、ご両親は、沖縄移住を聞いたとき、どういったリアクションでしたか?
家族は望んでいる側だったし、両親は理由も理由ということで、反対などはありませんでしたね。
沖縄移住は、結構スムーズに進んだんですねぇ。
沖縄のIT企業に転職し、ウェブプロデューサー・ディレクターとして勤務
現在はフリーランスのシラトリさんですが、まずは会社員だったときのお話を。
Q、会社勤めのときのお仕事は?
沖縄移住する前は、会社勤めだったんですよね?
はい。
移住前の会社でも、ウェブのプロデューサーだったり、たまにディレクターだったりをしていました。
ちなみに会社員歴でいうとどれくらいですか?
11年ですね。
僕、もともと、新卒で仏壇屋さん会社に入って、地方で営業やってたんですよ。
でも1年で心が病んできて、「きついぞ、この仕事」って思って、やめちゃいました笑
仏壇屋さんの経歴が意外すぎる!
新卒の年齢で、おくやみの場にばかり行くのが精神的に大変でしたね。
そ、それは大変そうですね..。
その当時って、まだグーグルマップとかもないので、新聞の「おくやみ情報」をみて、ゼンリンの地図みて、「ここか」って調べて、家に行くんですよ。
「このたびは・・・」って言って。「お線香だけでも」とか言ってお家にお邪魔して、いろいろ仏事の相談に乗る。「仏壇とかは、一般的にこういうの準備するんですよー」って教えてあげたりして、営業していました。
仏壇屋さんから、ウェブの業界へ。
大学で統計学をやっていて、ネットスーパーの研究をしていたこともあり、ネットに興味があったんですよ。
それで1年間ウェブの学校に通って、ウェブ制作会社に拾ってもらって、7年勤めました。
そのあと、また転職して沖縄の前の会社ですね。3年くらいプロデューサーになって。そして、沖縄に移住した感じです。
沖縄でもウェブプロデューサーさんでしたよね。
はい。あと、ディレクター業務ですね。
同じ業界という意味だと、移住後も、仕事内容は大きくは変わらなかったですね。
ただ前より、「企画」とか「情報設計」する比率は増えたっていう感じです。
少し仕事の幅が出たって感じですか?
そうですね、人数的なこともあってオールラウンドに動くことが増えたかな。
特に「ディレクター」としての動きは増えましたね。
Q、沖縄で仕事をしていて困ったところは?
IT系の業界だと仕事関連のことで新たに学びたいときに、沖縄だと、それを学ぶ機会が少ないなーって。
東京などに比べると、イベント・セミナーも少ないです。UXとUIは特に感じました。
都内と比べるとそうですよね。
移住する前の会社では、3年間、ほとんど「プロデューサー」って感じでやっていました。
あまり、ウェブ制作トレンドの最新を追っていなかったんですよ。
でも移住してきて、「ディレクター」という立ち位置も出てきたら、あ、これはいかん、と、勉強しはじめて。
ディレクターとしての勉強ですね。
その時はトレンド的に「UXが大切だー」ってなっていて。
でも完全に浦島太郎状態。それでUXを集中して勉強し始めて、沖縄移住したのに、東京都内でやっているセミナーとかに逆戻りで参加したり。
会社でも自分で「UXセミナー」を企画して県内プレイヤーに向けて開いたり。
そういえば、そのセミナーに私たちが行って、初めてシラトリさんとお会いしたんですっけね?
あ、そうですね。懐かしいですね
沖縄での働きかた・個人のITキャリアの描きかたを立ち止まって考えた
Q、沖縄での前職はどのくらいの期間勤めましたか?
沖縄で会社勤めをされて、そのあと独立されたんですよね。
沖縄での会社勤め期間はどれくらいでした?
前職は1年と9ヶ月くらいですね。
独立はもともと考えていらしたんですか?
いえ、最初は、「東京と変わらず働きたい」っていう気持ちが強かったんですよ。だからそういう会社に勤められて満足していました。
ではフリーランスを考えたきっかけは?
沖縄に移住してから色々と考えるようになってですね。
というのも、「東京と変わらず働きたい」っていうのもある一方で、「せっかく地方にいるのに、東京と同じ働き方をするだけでいいのかな?」っていう疑問が自分の中にあって。
もうちょっと違う働きかたができるんじゃないかなーって。そう思ったのが、きっかけでした。
なるほど、もうちょっと違う働きかた。
うん、やっぱり、東京ではバリバリ遅くまで働いてたんですよ。別にそれで良かったんです。
でも不思議と沖縄に来てから、バリバリ遅くまで働くことに、自分が違和感を感じて。
バリバリ働くことに違和感とは?
それはやっぱり沖縄のゆったりとしたムードとか、地方だから定時帰宅みたいな人も結構いるし、そういうのを見て考えが変わってきたんでしょうね。
あぁー、たしかに地方的な働きかたのムードって感じますよね。
私も地元が千葉の田舎なのでわかります。
そもそも僕が、東京でスタンダードだとしていた働きかたって、沖縄まで来るとそうじゃなくても別に大丈夫だった。
たしかに、沖縄の働きかたで、良い意味の「ゆとり」を感じること、あるかも。
そうなんですよね。
これは良い悪いの話ではなく、給与相場的に同じ仕事でも下がる傾向もあるし。じゃあ、東京と”同じくらいバリバリやる”意味ってなんだろう、と思って。
自分が沖縄で働く”価値”を改めて考えだした?
というより、沖縄らしいやり方もあるんじゃないかって。
まぁ、僕がのんびりしたいだけかもしれませんが笑
まぁそれも大事ですよね
だから、こんな言い方すると、語弊があるかもしれないですが、僕は何か高い志があるわけではなく、「世の中をこうしてやろう」みたいのも全然なくて。
今はその場しのぎというか、模索をし始めたところなんですよね。
自らの働きかたを模索するためのフリーランス?
そうですね。個人事業なら、働きかたを自分で選べますから。
そしてフリーランスへ。「新たな働きかた」を楽しむ
Q、フリーで、どのような働き方をしていますか?
なるべく月~金に働くようにしています
なるべくっていうのがいいですね笑
在宅仕事でやっているのですが、ついつい「あした本気出す」が続いてしまいますねぇ〜。
もちろんお付き合いのある会社で、委託業務のディレクターとしてやっているところは、きちんと出社してますよ
カフェで作業したりしますか?
あぁー、以前はコワーキングスペースに行ったりもしていたのですが、だんだん行くのがめんどくさくなっちゃって笑
今は自宅作業メインですね。週に1回くらい、お世話になっている会社さんのオフィスへ行きます。
打ち合わせとかはどうしてます?
打ち合わせはスカイプやハングアウト、テレビ通話で打ちあわせることが多いですね。
テレビ通話ってことは、沖縄県外のクライアントさんですか?
いえ、沖縄県内の会社さんでもテレビ通話しますよ。
例えば、日本各地の会社で連携してやっている案件に入った時なんかは、どうせテレビ通話で打ち合わせるんですよ。だから、移動時間がかかる場合は、「それ僕もテレビ通話でいいですか?」って言って、自宅からテレビ通話で打ち合わせちゃったりもします。
フリーになった分、動きを効率化してますね。
直接会うこともありますし、ケースバイケースでやってますね。
フリーになったので、「気分転換に海」とかできますね♪
そうか、ふらっと「いい景色見に行こう」とかやってないですねぇ。
ちょっとそろそろ自分プロデュースしなくちゃって思っています。あまりにも、いまの自分がイケてないので笑
そんなことないですよ!
今回、イケてる記事を書きますので!
お願いします!笑
Q、フリーで働いて変わったことは?
組織に属している時って、年齢的にマネジメントの立ち位置になっちゃうんですけど、それがフリーになってマネジメントがなくなった。全部自分の責任になるのですが、それでも気持ちが楽になったんですよ。
楽になったんですね!
普通、独立ってプレッシャーが強くなるイメージだから、意外な感じ。
捉えようによっては、自分のことに集中出来るじゃないですか。
なので僕の場合は、フリーになったのは結構良いことかなぁって、思い切りよく動けているような気がします。
なるほど。
Q、フリーでどんな仕事をしていますか?
すみません。仕事柄、私がやりましたーって外に公開できる案件が少なくて汗
あ、そうですよね…
あ、でもこれは大丈夫だ!
例えば、最近では首里石鹸さんに関わりました。
あら素敵!
すでにロゴや店舗のデザインは決まっていたので、「ウェブ・広告で、どういったビジュアルで打ち出せばいいか」の相談からのり始めて。サイトを作ったり、冊子を作ったり、動画も作りましたね。
すごい!色々やられてますね!
ちなみに、その動画はキャストの関係で、家族出演しました。
店頭にパネルを置いてるんですが、それにもさりげなく僕が写っています。
なんと!
自作自演ですね
モデルも業務範囲!?笑
いえいえ、家族のモデルさんが、なかなか見つからず。そしたら「あ、我が家か」みたいになって。
ご縁があるのか、1年に1回くらい家族でこういうプロモーションに出る話があるので、毎年、年賀状代わりに、「今年こんなのでました」って案内しています
モデル家族ですね
たまたまですけどね。
首里石鹸は、ほかにもキーコンセプトやコピーライトも考えたり、幅広く関わらせてもらっていますね。
フリーランスになって、幅広い案件が増えた感じですか?
というより、以前より会話の流れ的に、仕事が生まれるようになった感じですかね。
フリーなので、自分自身のコネクションのある人々から「こんな人いない?」とか「こんなことしたいんだけど..」という話を受けて、自分がその人のために動けると思ったら提案する感じです。
人と人って感じの仕事なんですね。
まぁでも会社勤めのときもこういうのはありましたね。
違うといえば、以前は会社組織として「うーん、意見通るかなー..」と判断していたことも、個人の裁量なので「やりましょう」と飛び込みやすくなったかもしれません。
個人の裁量の結果として、案件の幅が広がっている。
そんな感じですかねぇ。
沖縄での会社勤め期間でたくさんの財産を得た
Q、会社勤めからフリーになってよかったことは?
そういえば、せっかく入った会社、辞める時は引き止められたのでは?
もちろん、ありましたよ。
でも、ベンチャー志向の会社なのもあって、きちんと話し合えば理解してもらえました。
沖縄に来て、2年弱でフリーにキャリア転向されたわけですが、会社勤めで得たものとかありますか?
あ!会社勤めは、めちゃめちゃ良かったなと思っています!実は。
めちゃめちゃ良かったですか!
やはり、もともと、沖縄に縁もゆかりもなかったので。
正直、沖縄がどんなところかな、というのもわかっていなかったです。
会社勤めの経験で、沖縄の理解が進んだ感じですね。
ですね。
1年半勤めて、イベントも運良く開催できて、いろんな方と出会えたし、現地の人の働きかたや、沖縄での仕事の考えかたも理解できました。
多分、フリーになれたのは、会社勤めの経験が大きいです。
たしかに、沖縄のコミュニティで仕事をするのが理解するのには一番いいですよね。
勤めていた会社は、沖縄移住者も、沖縄生まれの人も混じっていたので、両者の考えを受け取れました。そういう意味でも”沖縄らしさ”を理解するのには役立ちましたね。
Q、フリーになって仕事の獲得方法は?
前職にいたときに仕事の相談をもらうことがあったので、そういうつながりだったり。あとはイベントで知り合った人々に、「フリーになるので何かあれば」と声をかけて、つながった感じですね。
やはり沖縄で出来た”つながり”から仕事が生まれるんですね。
ほかには、前の会社で知り合いづてに、「ディレクターいませんか?」っていう話になって、紹介してもらいました。
前の会社ともつながるんですね。
ありますね。
一度知り合って、つながり作ってということが多いかもしれないですね。あとは参加しているビーチサッカーのメンバーから広がったりです。
ビーチサッカー?
ビーチサッカーにはまっていましてね。友人・知人とプレイもしますし、沖縄のプロチームの試合も観ます。
で、個人的にビーチサッカーのサイトを作って更新していたら、ビーチサッカーの広報部みたいになっているんですよ
広報のお仕事ですか?
いえ、全然、そんなではなくて。
ビーチサッカーって、まだマイナースポーツなので、広報専門の部門があるわけじゃないんですよ。だから、僕みたいに熱心に毎回毎回、試合にきて、写真撮って、関係者の方々にデータを配ったりする人はありがたいらしくて笑
なるほど!
冷静に考えると、ビーチサッカーのサイトやってる一般人なんですけど、報道の位置での試合の撮影OKもらったり。
すごい!かなり喜ばれていますね!
ビーチサッカーは、完全に自分の好きで、「ライフワーク」としてやっていますね。
好きなことに対して、思いっきり取り組めていると感じる瞬間は素晴らしいです。
そういう取り組みも、フリーになって動きやすくなった部分ですかね。
うん、まさにですね。
Q、住んでみて、沖縄の好きなところは?
では、最後に、沖縄の好きなところを教えてくださーい!
なんだかんだいって、ビーチが近くにあったり、海がみえたり。景色がいいじゃないですか。
だから、そういう部分で心が和むというか安らぐというか。
東京で働くと、いわゆるコンクリートジャングルの景色しかみてなかったので。そういうところで、リフレッシュできているのかなと思いますね。
リフレッシュの質がすごいレベルですよね
そうですね。だって、僕、実はそんなに”海”って好きじゃないんですよ笑
え!そうなんですか!?
うん、だって潮風とかベタベタするし。
でも沖縄に来たら、ビーチサッカーにはまってますし、毎週のようにビーチいきますからね
沖縄の海の力。恐るべし。
やはり、素晴らしい魅力だな、と思いますね。
沖縄でフリーランスの道も楽しそうだった
お忙しいところ、インタビューありがとうございましたー!
ありがとうございましたー!
いえーまた何かあったらぜひ。
というわけで、沖縄でウェブプロデューサー・ディレクターとしてご活躍中のシラトリさんでしたー!
「自分×沖縄」でより良い働きかたを模索したり、フリーになったきっかけで「ビーチサッカー」をライフワークにしていたり、とても楽しそうでしたねー!
沖縄企業での転職から、東京で働いていたときには考えていなかったフリーランスの道へ進み、それを楽しんでいる様子が伝わってまいりました!
みなさまが、沖縄移住キャリアを考える際に、何か参考になる部分があれば幸いです。
あ、フリーになったし、今度、海辺でテントでも貼って、BBQしながら作業してみます?
お、新しいですねぇー。やりましょう!
なんてお話もしたので、また沖縄移住ライフハックに登場してくださるかもしれません。お楽しみに!