ゲリラ豪雨とスコールの違いについて、調べてみました
※記事の情報は執筆時点のものとなります(8年前の投稿)
沖縄は亜熱帯性気候の島。その気候に特有の現象として、「スコール」があります。一方、温暖化の影響か最近は本州でも「ゲリラ豪雨」という名前の局地的な大雨が降りますね。
本州が亜熱帯化しているの?
ゲリラ豪雨もスコールってこと?
ふたつは一緒なの?
いえいえ、実はまったく違うんです。
今回は、「ゲリラ豪雨」と「スコール」の違いについて、雑学的にご紹介します。
- スポンサーリンク
ゲリラ豪雨とスコールの違い
ゲリラ豪雨とは?
まずは、ゲリラ豪雨について。
ゲリラ豪雨(ゲリラごうう)とは、正式な気象用語ではないが、おおかた「集中豪雨」と同義で、大気の不安定により突発的で天気予報による正確な予測が困難な局地的大雨を指す。
都内の地下鉄が浸水してしまったり、溢れた川に車が水没してしまったりと、よくニュースになっている大雨、それがゲリラ豪雨ですね。
言葉の生まれ自体は古く、1969年に新聞で用いられたのが最初のようです。最近の言葉のように感じるのは、2008年、流行語大賞の候補に上がっていたからみたいです。実際は40年以上も前に使われていた言葉なんですね!
ゲリラ豪雨は気象用語じゃない
「ゲリラ豪雨」は、気象用語ではないそうです。
集中豪雨、ゲリラ豪雨、夕立などは、気象学的に明確な定義づけはなされておらず、ほぼ日本国内でのみ用いられる。日本の気象庁は予報用語としてゲリラ豪雨は用いず、集中豪雨と「局地的大雨」を雨量などに応じて使い分けている
「ゲリラ」っていう文字からして、気象用語ではない気がしていましたが、まぁそうですよね笑 ゲリラという言葉が軍事的なイメージを連想させるということで、最近はテレビやニュースメディアでは「局地的大雨」などで言い換えられているそうです。
ちなみに「集中豪雨」という言葉も気象用語ではないんですねー。意外な感じもします。
スコールとは?
さて、もう一方、スコールの意味を調べてみましょう。
スコール (squall) は、激しい天候変化(豪雨、落雷あるいは大雪など)を伴う急激な風速の増加現象である。
ぱっと見は、ゲリラ豪雨と同じようにも感じます…。しかし、よく見ると「急激な風速の増加現象である」と書かれています。
ん?風速の増加現象??
スコール」は、必ず「雨」が降るわけではない
なんと、スコールって「風」のことを指すんです!大雨のことを指すと思っていたら違うんだそうです!
学術用語としても日常語としても、スコールは(豪雨ではなく)突発的な風の強まりを指す。
(中略)
日本人がしばしば夕立のような突然の雨の意味で誤用するスコールは、英語ではシャワー(shower)である。
わーお、なんと、突然の大雨は正確には「シャワー」となるんですね!「シャワーが降ってきた!」なんて言っても伝わらなそう!笑
世界の気象定義でも、スコールは「風の変化」で定義されています。
1962年に世界気象機関 (WMO) はスコールを「毎秒8m以上の風速増加を伴い、最大風速が11m/秒以上で、1分以上継続する」ものと定義した。
まぁ多くの場合、突然気象が変わるので激しい雨が伴うようです。パッと見は同じように見えてしまうんですね。
決定的な違いをまとめると
同じ大雨に感じる「ゲリラ豪雨」と「スコール」ですが、まとめてみると別物だということがわかります。
- ゲリラ豪雨
予測できない大雨・集中豪雨
気象用語ではない
日本で使われる - スコール
突発的な「風」の強まり
気象用語
世界でも共通の言葉
とはいえ、ゲリラ豪雨もスコールも、「急に大雨」が発生しやすいものなので、ついつい混同してしまうのですね。
うーん、なるほど、THE・雑学ですね!
勉強になりました。