ニジイロクワガタの飼育方法【産卵・幼虫・サナギ・成虫まで】
※記事の情報は執筆時点のものとなります
クワガタにハマり始め、手始めにニジイロクワガタを買いました!
初めての外国産クワガタブリードです!
ニジイロクワガタは外国産クワガタのなかで初心者に人気の種類です。
温度への耐久性も高く、寿命も長く、卵もよく産み、かなり飼育しやすい種類だそう。
そしてなにしろ、めっちゃ美しいのが魅力。
成虫飼育を堪能しつつ、産卵もさせて、幼虫飼育してふやしてみまーす!
- スポンサーリンク
ニジイロクワガタとは
世界一美しいクワガタ
「世界一美しいクワガタ」といわれています。
日本のタマムシのような美しい光沢をもつボディ。
緑色に光りつつも、ピンク、オレンジ、イエローと見る角度によってさまざまに色を変え、名前どおり七色の虹のように輝いてます。
惚れ惚れするほど美しいクワガタです
学名
(ファラクログナトゥス ムエルレリ)
舌噛みそうな学名です。
ファラクログナトゥスは学者の名前なのかな?
ちなみに英名は「Rainbow beetle(レインボービートル)」だそう。
そのまんまの名前で安心。
生息地
オーストラリアのクイーンズランド州の森に生息しています。
じつは非常に希少なクワガタで、なんと現地では保護されており捕獲できません。
また生息地では見つけるのがとても難しい(朽木などに隠れていることが多いらしい)クワガタなのだそうです。
あんなきれいに輝いているのに朽木に隠れているんかいな……
とは、私、個人の正直な疑問。
私が読んだ本が古い図鑑だったからかもしれません(1983年の子供向け図鑑だった)。おそらく、当時は現地でも、まだ観察例が十分じゃなかったのかもしれないです。
実際のところはわかりません。
- 日本では養殖個体を買うことができる
- すばらしいことに、この希少なクワガタが日本ではふつうに買えてしまうんですよね〜。なぜかというと国内のクワガタブリーダーさんたちが熱心に養殖をしつづけているからです。
ニジイロクワガタは日本に入ってきた当初100万円くらいで取引されていたそう!それが今や5000円程度、安いと3000円で買えてしまうのは、日本のブリーダーさんたちの情熱あってこそ。オーストラリアからの野外品は、はいってこないので、国内のニジイロクワガタはすべて養殖物ということになります。
大きさ
よくあるサイズはこれくらい。
- オス……3〜6センチ
- メス最大サイズ……3〜4センチ
最大はこのサイズ。
- オス最大サイズ……70.1mm
- メス最大サイズ……45.9mm
※2023年時点のクワガタギネス記録
参考としてはオスで5.5センチくらいあれば長歯でいい感じのかたちをしてます。
ちなみに最大サイズ記録が最近更新され、70.1ミリが記録されています。
ニジイロクワガタで7センチはめちゃでかい!
寿命
クワガタの中では長命なのがニジイロクワガタ。
長生きです。
ひと夏で死んでしまう日本のカブトムシとはちがい、だいたい1年くらいは生きます。
状態がいいと、2年ちかく生きるものもいるそうです
うちのニジイロクワガタたちも羽化からゆうに1年以上は生きています。
卵〜羽化までの期間
ニジイロクワガタはわりあい育つのが早いらしく8ヶ月くらいあれば羽化までいくそう。
ニジイロクワガタの卵〜羽化期間
- オス……5〜8ヶ月
- メス……4〜7ヶ月
早いとだいたい小型で生まれ、羽化が遅いやつのほうが大型になるらしいです。
※早く出てくるのを「早期羽化」といいます。
外国産クワガタの”入門種”として人気
ニジイロクワガタは外国産クワガタの入門種として有名です。
外国産クワガタ初心者に、とてもよいとされる理由はこれ。
- 高温、低温に強い
亜熱帯種だが日本の室内でギリギリ常温飼育できる(外での飼育は無理) - はさむ力が強くない
子供のケガが少ない。外国産ヒラタとかふつうにケガするらしい - 家族に飼育許可を得やすい
色合いが美しいため。家族の許可はリアルに切実な問題です
たしかに、わが家の虫嫌いな妻も、ニジロクワガタは、気さくにOKだしてくれた
カラーリングが楽しめる
カラーリングが豊富にあるところも、ニジイロクワガタが人気な理由のひとつ。
ニジイロクワガタのカラーリング
- ノーマル
- 紫紺(しこん)
- ピンク
- グリーン
- オレンジ(ゴールドっぽいやつ)
- ブルー
ピカールっていう、体のピカピカが強い個体もいます。そちらが人気なようです。
私、個人の好みでいえばノーマルが一番好きかなぁ
ちなみにブルーは完全な青ではなく、青みが強い緑のような紫紺のような色合い。
まだ完全なブルー個体はこの世には存在しないらしいですね。
(ヤフオクのサムネールにはなぜかよく存在している七不思議はあるけれど……。)
飼育記録
ここからは私の飼ったニジイロクワガタの飼育記録です。
成虫の購入から、産卵セット、幼虫飼育、サナギから羽化まで、ひととおり記録しておきます。
飼育方法の参考にどうぞ〜
購入|2023/11/05|DDAismで通販購入
楽天ポイントが貯まったときに、DDAismさんで購入しました。
初めてだから、ちょっといいサイズのやつ買おうと、オス60upサイズを購入(そのときはペア3900円送料別でした)。
沖縄でも問題なく、元気に届きました。
(購入したのは秋。)
22年8月羽化の個体なので、23年の夏くらいが寿命かな?
うまいこと24年まで生きてほしいものです。
追記:2024年6月現在:メスはまだ生きてます
オスは羽化から1年8ヶ月で☆に。長生きでした♪ メスは現在も生きていて、目指せ2年をやってます。
成虫飼育
基本的にはふつうのクワガタといっしょです。
飼育ケースにオガクズいれて、止まり木いれて、昆虫ゼリーあげればOK。
よく排泄(おしっこ)します。
大変じゃなければなるべくマメに掃除して、マット交換するといいです。
私はマットじゃなくて赤松ウッドチップをいれてました。(なんとなく)
掃除回数は変わらないのですが、洗って干せばまた使えます
ニジイロクワガタは昼行性
ふつうのクワガタとちがうのは昼行性らしく、昼間に動き回るそうです。
ただ、夜は隠れるかといえばそうでもなく。
うちのニジイロクワガタは夜のほうが、わりあい活発です
おそらく警戒心が強く、昼行性というより、静かな環境のときにそろそろと動き回る性質なのではないかと推測されます。
うちは日中、子供たちが動き回っていることも多いので隠れていて、子どもたちが寝付く夜21時頃に動き出すんじゃないかな、と。
平日昼間、子どもらが保育園にいってる間は、エサを食べている姿をよく見かけます
ニジイロクワガタは常温飼育もできる
これがいいですよね。
外国産クワガタですが、温度管理はとくにせず常温飼育が可能です。
沖縄はとくに常温飼育に適性ありです
沖縄の室内飼育は、夏場が30度くらい、春・秋が25度くらい、冬場は寒くて13度くらい。
ニジイロクワガタなら十分に耐えられる飼育温度です。
ニジイロクワガタはだいたい17度を下回ると、動かないでじっとしている時間が増え、20度くらいからエサをよく食べるようになります。
活動が活発になるのは23度以上なイメージ
沖縄じゃなくても、冬場10度くらいまでなら耐えるそうです。
(適温ではありませんが。)
人がいて暖房もつける室内気温で10度以下になることは、なかなかないと思うので、冬場も人がいる暖かい部屋に置けば、生きていてくれるはずです。
適正な湿度は?
適正な湿度はよくわからないです。ただ、生息地であるクイーンズランド州は亜熱帯らしいので、沖縄と同等でだいたい80%くらいが適正なのかなー。(ケース内が乾いてきたら霧吹きしてます。)
オスがメスを追いかけるので個別飼育がよい
ニジイロクワガタは比較的、交尾をさせやすいクワガタです。
交尾のためにオスがメスを追いかけ回すので、メスが弱ってしまわないよう、産卵目的のとき以外は別々に飼育したほうが長生きするとのこと。
うちもいっしょにしてたら、オスがずっと交尾しようとメスにつかまってて、メスがうまく餌を食べれない感じでした。(途中から別々で飼育するようにしました)
産卵セット|2022/12/12
交尾が済んだら実際に産卵させてみます。
産卵セットはマットを固めてもいいし、カワラタケの菌糸ボトルを使ってもいいようです。
カワラタケのほうが産みがよさそうだったので、ちょっと値段高くなりますが、カワラタケ菌糸ブロックを買ってみました。
こんな感じで、雑に組んじゃいました。
水槽のなかにダイソーで買ったコンテナボックスいれて、そのなかに産卵セットとメスをイン。
オスには外で待っててもらいます。
※ネットを見ていると、一般的には「産卵一番」などのマットを固詰めして産卵セットにしています。私のやりかたは特殊かもしれません。
沖縄飼育者なので、常温管理なのにクリスマスシーズンに産卵セットをつくる強気を発揮
メスはさっそくカワラタケをかじって潜り込み、26日間、ほぼ出てくることなくアチコチ穴を掘りまくってました。
(26日後に出てきたので、メスを取り出したました。)
※ちなみにメスを入れっぱなしにすると、卵を潰したり、幼虫を食べてしまったりする(おそらくタンパク質の補給のため)ので、ある程度したら取り出すのが正解です。
卵・幼虫の割り出し|2023/01/28
1ヶ月半で割り出しをしてみました。
おぉーいるいる!
結果、卵8個、幼虫が15匹見つかりました。
ちょっとまだ使えそうな部分があったので、半分くらい残して、またメスをいれといた。
ニジイロクワガタは多産だそうですが、こりゃたしかに多産だな。
初めての飼育でも、こんなに産んでくれるとは……!
卵の孵化|2023/03/04
卵は割り出した材(カワラタケ)を優しくかぶせて、小さなケースで孵化まで管理。
小さなケースは我が家ででてくる豆腐のケースを再利用し、ラップかけて管理してます。これでオキナワノコギリの卵も孵化させたんや。
だいたい2週間で孵化すると言われてます。一応、ゆっくりめにかまえて1ヶ月待ってから確認することに。
だいたい1ヶ月経った頃に確認すると、卵8個中、7匹孵化。
あと謎に1ケースに2匹いたのがあったので、8匹になり、プラマイゼロ
オキナワノコギリよりも卵の孵化率が高い。
頑丈な虫なんだなぁー。
幼虫の土交換|2023/03/04(同日)
結局、あのあとも生まれた卵やら幼虫がいて、なんだかんだ24匹に。
幼虫がいっぱいとれたので、いくつか育て方を変えて実験することにしました。
- A……カワラ菌糸ボトル(1000mL)で1本がえし
- B……発酵マットボトル(1000mL)で1本がえし
- C……発酵マット+ヨーグルトケース(500mL)で2〜3本孵し
ニジイロクワガタは菌糸で大きくなるらしいので、カワラタケブロックの一部をボトルに詰めたやつで、1本がえしを試してみることに。
ほかはマット飼育しますが、1本だけ容器サイズを変えてみます。
1Lの大きめケースで1本がえしと、小さめケースでマメに土交換だと、どうサイズが変わるかなと。
ネットの前情報だと、マットはマメに交換したほうが大きくなるらしい。
つまり予想だと、菌糸ボトル>ヨーグルトケース土換え>マットボトル、になるだろうと踏んでいます
※なんでヨーグルトケースかって?お金ないからだよ!……っていうのと、息子がいつかクワガタ幼虫飼育したいときに、これで育てられるなら気軽だと思って。
ヨーグルトケース幼虫が育っていない……|2023/04/26
キノコバエが発生しはじめたので、原因追求の一環でヨーグルトケースの幼虫たちをチェック。
うーん……
大きくなってない。
写真だとわかりにくいですが、ボトルに入れていたやつの半分くらいしかサイズがない。
やはりヨーグルトケースは狭すぎるみたい
実験方法を変更。
数本、実験用にヨーグルトケースに残しますが、残りは次回の土交換で1000mLボトルに変えることにしました。
2回目移行の土交換|2023/6〜9月
すみません、うっかり写真を撮り忘れてしまったのですが、3ヶ月に1回くらいのペースでマット交換をしていきました。
ヨーグルトケース組は1000mLボトルに変えた結果、急に大きくなる個体もいるし、そのまま小さいまんまの個体もいました。
環境要因もありつつ、個体ごとにも伸びが違うようでした
ただ3令幼虫になった時点くらいからは、ある程度は大きさがある容器にいれないと、十分に成長できず小型の個体になるように感じましたね。
7月位(孵化から約6ヶ月)の時点でサナギになっている個体がチラホラ見えはじめます。早期羽化ですね。
蛹化(サナギ)確認|2023/8/8
おそらく7月時点でサナギになっているものもいましたが、あらためて写真におさめられたのが8月頭。
幼虫はマットのなかに「蛹室(ようしつ)」という部屋をつくり、そこでサナギになります。
なので蛹室〜サナギ〜羽化と、マットで飼育していれば、特別になにか世話をすることはありません。
ポイント:ビン底に蛹室を作った場合は逆さにしておく
基本的には世話の必要がありませんが、ボトルやビンの「底」に蛹室をつくってしまった場合は、そっと逆さにしてください。クワガタはサナギから羽化するときに、体液を排出するのですが、底に蛹室があると水分が土に吸収されず水浸しになり、羽化不全が起きたり、最悪は虫が☆になってしまう場合があります。
早期羽化メスを掘り出し|2023/09/09
サナギになったニジイロクワガタは2週間くらいで羽化します。
羽化直後はしばらく体が柔らかいので、そっとしておきましょう。
色がちがったり、お腹が出ていたりするので、羽化したばかりなことは見てすぐわかります
羽化から2〜3週間くらいは体を固める期間なので、そのままにしておきます。
※ちなみに羽化してから2ヶ月くらいは食事をせず、眠った状態なので、そのままにしておいても大丈夫です。
わがやは息子が楽しみにしているので、体が固まった時点で早期羽化のメスを掘り出してみました。
他の個体はまだこの時点で幼虫。
大きめの個体はおそらく11月〜12月くらいに羽化してくるのではないでしょうか。
大きめの個体も羽化しました|2024/01末頃
予定よりも遅れて1月の終わり〜2月にかけて、他の個体は続々とうかしました。
結局2匹だけでしたが長歯の個体もでてきました!
サイズは50mmと親サイズよりは小さくなってしまいましたが、まぁ初めてのブリードだから、別に羽化してくれればね!
なんでもうれしいです!
飼育しやすくて美しくて丈夫で、前評判どおりのよいクワガタ
ニジイロクワガタ、いいですね!
前評判どおりって感じの外国産クワガタの入門にピッタリのクワガタでした。
中学生くらいなら子どもでもブリードチャレンジできちゃいますね!
ニジイロクワガタは値段的に購入しやすいですけれど、一応、時期や個体によって値段が変わるので、よくみて好きなのを選ぶとよいですよ。(送料もあるから忘れずに。)
- 野外放虫はダメ絶対
- いるはずのない日本国内でニジイロクワガタが「発見」されるニュースが散見されます。飼育しきれない人が放虫(勝手に逃がすこと)したのだろうと推察されます。これはとても大問題で、自然環境に影響がでる恐れがあります。
- ・在来昆虫と競合することで、在来昆虫の生存を脅かす
・放虫が繁殖することで、植物・野菜等の食害が起こる
・在来種と交雑が起きることにより、種に影響がでる
・ウイルス、菌、寄生虫などが広まることで他生物に影響がでる可能性 - 外国産クワガタ・カブトムシの放虫は現在、社会問題です。
昆虫は増えてしまった場合に根絶が非常にむずかしく、甚大な被害が出ることがあり得ます。
飼うときは死ぬまで責任をもって世話をしましょう。飼育マナーに十分、留意したいものです。