自然を遊ぶ、のびやかな器。「gallery.k」で、藤本健さんの木の器を見る
※記事の情報は執筆時点のものとなります(8年前の投稿)
「料理 胃袋」で食事をした時の話。
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使われていた器がとても素敵で軽かったので、オーナーさんに「これはどちらの器ですか?」と聞いてみたところ「あ、ちょっと待ってくださいね、いたら声をかけてきます」と言われました。
へ?「いたら」って、誰かいるの?そう思っていたら、なんと5分後に器の作者ご本人が登場しました。
ふぁっ!?なにこれどうなってるの?
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gllery.kと胃袋
gallery.kは、器作家の「藤本健さん」が運営する個人のギャラリーです。
gallery.kは藤本健さん個人の敷地内にあり、同敷地内にレストラン「料理 胃袋」もあるとのこと。そういうご縁もあって、胃袋の器に藤本健さんの作品を使っているそうです。
なるほど、だからご本人がいらっしゃったんですね。
器を見せていただきました
夜の時間なのに、特別にギャラリーの器を見せていただけることになりました。ありがたいお話です。
お邪魔しまーす。おぉ、器がいっぱい!!
生木の「歪み」を利用した美しい器たち
藤本健さんの器の特長といえば、一目見てわかるこの造形美。
まるで彫刻や手びねりのような、柔和な輪郭をもった伸びやかな器たち。
一見すると陶芸のように見えるのですが、全て「木の器」です。
一つ一つの器が、全て違う形。まるで生きて形を作っているような不思議な表情に、私も一緒にいた奥さんもついつい見入ってしまいます。
どうしてこんな器ができたのか、お話を聞いてみると、秘密は制作の工程にありました。
藤井健さんの器は、生木をある程度まで形づくったあと、自然乾燥させ、あえて木に造形させるのだそうです。
木は乾燥して水分が抜けると、しなってきたり、へこんできたり、歪んできたり、欠けてしまったり、元の形が変わってしまいます。一般的な木材の加工ではそういう予想外の変化は嫌われ、失敗と見なされます。
しかし藤井健さんは逆。その予想外の変化を造形の味わいと感じ、このような自然変化を遊ぶような器作りを始めたそうです。
器の変化の現れかたは、木の種類によっても個性があったり、同じ材木でも部位ごとに違ったりするそうです。私たちにもわかるように色々説明をしてくださいましたが非常に面白いです!
ちなみに沖縄らしい「ガジュマル」なんかも器の材木に使っているそうです。
藤井健さん、もともとは木製の家具を中心に製作のお仕事をされていた方なのだそうですが、現在はこの器の魅力に引き込まれ、器をメインで作られているそうです。
いやはや、魅力的な器には、私たちも刺激を受けてばかり!
ご紹介いただきありがとうございました!
藤本健さんの器たちは、gallery.k現地でご購入いただくこともできますし、沖縄県内のショップの他、大阪、東京でも取り扱いのあるお店があるそうです。
関連藤本 健(@k.woodwork)|Instragram(インスタグラムアカウント)
家も建てられる方でした
ちなみに、なんとこの「gallery.k」の建物も、藤井健さんがご自分で設計〜施工までやったそうです。さらになんと、隣接する胃袋店舗もご自宅も、全部自分でやったそう!超人です!
「い、家とか建てちゃうんですか..?」と言ったら「いやいや、家は手間はかかりますけど、実はそんなに難しくないんですよ、どうですか?笑」と、笑顔でセルフビルドをおすすめしていただきました。
よーし!これに感化されて私たちも家建てちゃおうかな!と、違う刺激もいただけて良かったです笑
galley.kは、作家さんご本人が運営されております。都合により不定休になることもありますので、電話などでご都合を確認してから向かわれることをおすすめします。