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沖縄旅情報に関する記事

南城市「胃袋」。沖縄の自然とビストロの感性がまじわる魔法のお店

料理は魔法

胃袋に行くと、この言葉が頭から離れなくなりました。

少し遅い奥さんの誕生日祝いに、南城市にある「胃袋」へ行きました。ちょっと変わった名前のビストロです。

あの不思議な空間を、あのしっとりとした暗さを、あの予期せぬ素材選びを、そしてあの美味しさを。もう一度あれを味わいたいな、記事を書いている今もそう思います。

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隠れ家的な名店

ここ胃袋、私たち夫婦がチェックしている食通のブロガーさんがどのかたも感動しているお店なんです。

胃袋へ行った方からも上がる声は「独創的、天才的、芸術的..」、料理への賞賛というよりはアートへの賞賛のような感想です。
一体、どういうお店なんだろう、と、前々から気になっていました。

ヨーロッパ的雰囲気の、しっとりとした暗さ

夜、お店に向かいます。南城市の玉城、坂を下る途中に隠れ家のようにお店はありました。

夜の外観

真っ暗な森の淵に明かりが灯っていて、なんとも不思議な雰囲気。

梅?が生けられてました

2月といえども、沖縄の気温は本州の春手前。
建物の入り口には梅らしき花が生けられていました。

入り口の扉

入り口の扉。あら、取っ手をよく見ると..。

入り口の扉が胃袋の形

取っ手の形が「胃袋」になっています。
お店の名前をもじっているんですね。いいですね、こういうの好きです。

中に招きいれてもらいます。

暗さが居心地いい

お店の中は照明が抑えられうっすらと暗くなっていました。

入り口の扉

蝋燭

お店の内観は中世のヨーロッパのような雰囲気。
ロウソクの明かりで、この暗さがとても心地いいです。

カウンターの向こうにキッチン

私たちが座ったテーブル席の向こうにカウンター席。
その向こうはキッチンになっています。

カウンター

キッチンではオーナーさんが料理を作っています。キッチンの先には、亜熱帯の植物が茂る庭が。

南城市は沖縄らしい自然があふれる場所ですが、それと、この中世ヨーロッパ的な空間が合っていて、一種独特の雰囲気を感じられます。

テーブルにアート

ロウソクの明かりで照らす

実際の食事もこれくらいの明るさ。
ロウソクの明かりで食事を照らす感じです。

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独創的な感性あふれる品々

食事は「おまかせコース」のみ

テーブルに着くと、オーナーさんが声をかけに来てくださいます。

胃袋の食事メニューは「おまかせコース(4000円/名)」の1つだけ。メニュー表もありません。

※メニュー・価格は2016年時点のものです。

飲み物は、赤・白ワイン、ビール(ハートランド)、ノンアル(オリジナルのカクテルドリンク)など。ワインはボトルもあるそうです。

私たちももちろんおまかせコースをお願いします。
飲みものは、奥さんがビールを、私はハンドルキーパーなのでノンアルドリンクを注文しました。

ハートランドとノンアルドリンク

ビール(ハートランド)とノンアル

今日のノンアルドリンクは、タンカンとシークワーサーに生姜とスパイスを加えたものだそう。一口飲むと柑橘の香りが広がり美味しいです。とても甘いんですけど、スパイスのせいか喉に残らないので食事にも合いました。

ハートランドを注ぐ

こりゃドリンクから期待できるなぁ、と、奥さんのハートランドを注いであげます。
飲めないから注ぐだけでも楽しもうと思って笑

名前のない料理

ドリンクを飲みながら奥さんと話していると、最初の一品が。

前菜

こちらです。

胃袋、面白いのは料理に名前をつけていません。いや、正確に言えば、オーナーさんが一つ一つ、つかった材料や調理の仕方などを話してくださいます。それが料理名と言えば料理名。

「これは、しらはな豆をオリーブオイルで和えて、お塩だけで味付けしたものですね。
こちらは、、伊江島の小麦をつかって、アーモンドを混ぜたサブレと、新ジャガにチーズを混ぜたマッシュポテト、カリフラワーとガーリック、ディルをみじん切りにして重ねたものです。
一番上に添えた葉は、ディルです」

静かに調理のことを思い出すように教えてくれます。

前菜

しらはな豆はオリーブオイルと塩だけなのに、ふんわりとした優しい風味がとても美味しい。

前菜

こちらの重ねも、サブレのざくざくとした歯ごたえと、マッシュポテト・ガーリック・アーモンドの味がとても合っていて美味しいです。

材料や調理のことを教えてもらってから食べると、同じ美味しいでも楽しみ方が変わります。

素材それぞれの味わいに自分の関心が開いているな、という感じがあります。

ちなみに奥さんがメモ帳を出して、料理の話を一生懸命メモし出したところ「..メモするかた、初めて見ました笑」とのコメントをいただきました。

すみません、ODAYでちゃんと書きたかったんです笑

最高の状態

奥さんの方を見ると、前菜にして最高に美味しい状態。いい絵だ。

カブがスープ?カブのすり流し

前菜の次に出てきたものがこちら。

カブのすり流し

なんだろう?コーンスープ?まさかのおかゆ?と思いましたがぜんぜん違いました。

カブの蒸し汁をお塩で味を整えて、オリーブオイルでちょっとだけ香りをつけました。すり流しですね。」

な、なんとカブでした。意外な材料にびっくり。

玄米とピンクケッパー

玄米とピンクペッパーがアクセントとしてのっています。

優しい味

こちらのすり流しも、優しい味。
味付けは最低限で、とてもシンプルなのですが、素材を活かすのが本当に上手なのかとても豊かな風味です。

とんぼマグロのたたきは塩糀とレモン

次はマグロです。なんだか次の料理が出てくるのが楽しみです。

マグロのたたき

とんぼマグロのたたきには、塩糀と、南城市で採れたレモンとキンカンが和えてあります。

長命草

沖縄だと「長命草」という名前でよく売られているサクナも、みじん切りにして一緒に和えていあります。

マグロのたたき

レモンとマグロ、よく合います。今度、家でどうにかマネできないかと思った一品。

メインは蒸し豚とアサリとパクチー

メインの前にワインを注文した奥さん。

白ワイン

「今日のメインでしたら白が合うと思います」と言われ、白に。

さてさてお楽しみのメインです。

蒸し豚とアサリとパクチー

「初めてお越しいただいた方に、よくお出しするメニューなんですけど..」そう言って出してくださいました。

沖縄県産の豚肩ロースを、1時間程度じっくりと蒸し、アサリと合わせて蒸したものだそうです。

アサリと豚

味付けはバターとお塩だけ。

アサリ

豚肉とアサリは、これまた意外。新しい組み合わせですね。

付け合わせのパクチーと合わせて食べると美味しいそうです。

内田製パン

メインと一緒にパンも出してくれます。
パンは八重瀬町にある内田製パンのものを、さらに焼いてざくざくとした食感にしたもの。

本当にうまい

2人前とは思えないくらい、大皿にたっぷりのお肉とアサリ。

食べてみると、「う、うまい!!
よく考えてみると、豚ダシも、アサリダシもとっても美味しいですよね。それの合わせダシなんですもの。
パクチーと一緒に食べると、さわやかな香りが鼻の奥に抜けて、癖になります。

このメニュー、オーナーさん自身も大好きで、ご自分でもよく作るのだそうです。なるほど、おすすめしてくださる理由がよくわかりました。

最後のデザートまで発見の連続

楽しい美味しい時間はあっという間に過ぎて、デザート。

生乳から作ったチーズ

生乳を攪拌(かくはん)して作ったチーズに、濃く淹れたコーヒーと、ローストしたコーヒー豆を砕いてふりかけたものだそうです。

新鮮な香り

生乳チーズの新鮮な香りとふわふわな食感はもちろんですが、ローストしたコーヒー豆のインパクトですよ!

コーヒー豆を食べるって発想がなかったです。しかも、こちらも香ばしさと食感がチーズに絶妙に合います。

デザート

本当、最後まで発見に溢れたメニューで感動しました。

すっかり魔法にかけられました

お店を出る頃には、冒頭にあげた「料理は魔法」が、すっかり頭の中に浮かんでしまいました。

胃袋、素晴らしいお店です。

胃袋

胃袋は、女性オーナーさんが一人で切り盛りする小さなお店。電話での予約が必須です。

1ヶ月、2か月後まで予定が埋まっていることも普通。私たちも1か月半くらい前に電話したところ予約が取れました。

ちなみに電話口のオーナーさんは非常に物腰柔らかく、優しい対応をしてくださり、お店に行く前からいい気分になりました。

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