海がみえる家を建てた人が他人にあまりおすすめしてこない理由
※記事の情報は執筆時点のものとなります
沖縄で海のみえる家、建てようとしてますか?
現地で聞き込みとかしているときに、実際に海の見える家に住んでいる人と世間話する機会ができて、
「海の景色、最高ですよねぇ♪」
「海の見える家、いいですよね♪」
「海の見える家、建てたいんです♪」
など言ったことありますか?
そのとき、「いいですよねぇ!」って感じの前向きな返答、あんまり返ってこなくないですか?
イエスでもノーでもない、モゴモゴした、歯切れ悪いようなリアクションされません?
そうなると「あれ? なんか悪いこと言った?」ってちょっと不安になりますよね。
(私はなってました。)
え? だって建ててるじゃん。
建ててるのに海、好きじゃないの?
んなわけないでしょー。
なんで海の見える家に住んでいる人は、ああいうリアクションになるのか?
最近、実際に海の見える家に住んで、その理由がわかりました!
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いじわるされてる? ←ぜんぜんちがった
海がみえる家を建てた人が、他人にあんまりおすすめしてこない。
現地で聞き込みしても思ってた返答がかえってこない。
そんなとき、こう思ってしまいがちです。
海の景色を独り占めしたい人?
いけずなの? もしやいじわる?
自分が住んでわかったのですが、ぜんぜんちがいました。
海の見える家に住んでいる人は、わりと本心ではおすすめしたいし、「いいよね〜♪」とやりたがっています。
しかし、前向きに「みんなにおすすめー!」と答えられない事実に気がついてしまったのです。
海の見える家がいいか悪いかは人によってかなり違う
結論からいえば、海の見える家がいいか悪いかは人によってかなり違うのです。
正確には“住んでみてから”気持ちがどう変わるかが違うのです
海辺の暮らしは景色以上に難も多い
「塩害」というワード、沖縄に関心があるかたは、ほとんどが知っているかと思います。
知らないかた向けに説明をいれると……。
塩害(えんがい)とは……
簡単にいうと海の潮風による被害です。わかりやすいところだと、鉄がすぐに錆びてしまったり、木が朽ちやすかったり、髪の毛や皮膚なども傷みやすくなります。
これ、聞くだけだと「へぇーそうなんだー」ってなもんです。
でも住んでから、ずーっと塩害に付き合わねばならない状況に身をおくと、かなり「塩害やだー」となります。
たとえば……
- 自転車は外におくとすぐ錆びてしまう
- 家を毎月のように洗わないと傷む
- 車に乗れる年数みじかい(錆びる)
- ステンレスがなぜか錆びる
- 外の園芸用品・おもちゃ・洗濯具などすぐ壊れる
パッと思いつくくらいでもこれくらい。
ほかにも窓がすぐベタベタしたり、洗濯物がぜんぜん乾かなかったり、髪がキシキシしたり、まぁ住んでみるといろいろ、いろいろ、いーろいろ、あります。
台風が強い(場所によっては北風寒い)
海が見える家はだいたいにおいて、窓を大きくとります。
そして海が見えるように外壁や庭木なんかも低く、作ります。
すると、台風の風が思いっきり窓にくる!
毎回、台風のたんびに「なんでこんな家建てちまったんや」と後悔するレベルです
もちろん、台風対策にシャッターや、台風用のカバーなどをつける手もあります。
(家づくりで初期費用が上がります。でもやったほうがいいです。)
また、場所によっては冬場の北風がすごい吹き込んできます。
海側からの北風は寒いです!
沖縄といえども、かなりツラい!
むしろ、沖縄の暖かさに慣れているからこそ、めっちゃ寒い……。
冬場、ここはいったいどこなの?亜熱帯とは?と思うときがでてきます。
ひとによっちゃ住みにくくてツラい
そんなんですから、当然、人によっては住みにくさが前にでて、海の見える家、ツラいとなるのです。
今までサラサラだった髪が傷む。
いい車ほしくても錆びる。
何かと窓の掃除ばかり。
え、こんなとこも錆びるの!?
そりゃ無理もないですよ。
そうなったときに、「暮らしにくいけど、じゃあどうなの」って気持ちは芽生えます。
そしたら、どうしても人は「景色」と「苦労」を天秤にかけてしまいます。
正直、そこで「海の見える家はもういいや……」ってなっても、人の好みの問題だし、ぜんぜん不思議じゃないです
だって週末にちょっといいカフェいったら、海の見えるいい景色、楽しめますからね?
海辺で暮らすコストに比べたら、カフェでいいじゃんって思うケースもあるはずですよ。
かなりの確率で「思ってたんとちがう!」な人は出てくる気がする
いうたら、トレードオフ(景色と引き換えに苦労)がすごいんですよね。
海の見える家の暮らしは。
苦労を知って、実際に何年も住んでみて、それでもなお……。
という人と。
沖縄に初めて or 3回くらい来て、晴れた夏にカフェ巡りとかホテル泊だけした段階で……。
という人。
同じセリフですが、その重みがぜんぜん違うんすよ。
※べつに後者が悪いわけではなく、最初はみんなそうなのよ。私たちもそうでした。
そうなると、海辺に住む苦労をこのあと知って、実際に何年にもわたって体験していくなかで、
「思ってたんとちがうー!(ぴえん)」
となっちゃっても、ぜっんぜんおかしくない。
半々くらいでそういう人がでても、おかしくない!
※だって海辺の暮らし、嫌いな人には絶対に大変だし、手間だもの!
台風のたびにちょっと怖い思いして、毎月のように家洗って、あらゆるものが錆びて、洗濯物かぴかぴで、髪の毛もぱりぱりで、すぐ肌焼けて、ずっと風強い暮らしが快適な人は少ないもの!涙
「人によってかなり違う」が結論だが……
ここまでの話をふまえると、
「海の見える家、いいですよね?」
と聞かれたときの素直な回答は……
でも同じくらい悪い部分もある。
そこを耐えられる、許せるかどうか。
つまり結論……。
となります。
そう。
それはなんの答えにもなってないセリフ。
でね。
さすがに自分でもわかるんすよ。
いきなり、「人によって違いますね」とか答えたら、雰囲気わるくなっちゃうことは。
あといきなり……。
とか、魔王の問いみたいなことも、いきなり言ったら、雰囲気わるくなっちゃうのもわかる。
だからなるべく優しく、しかし質問には誠実に対応したい。
そう思えば思うほど、
「うん……ねぇ〜……。いい(ところもあるし、悪いところもあるんだ)よねぇ……」
と、歯切れ悪くなるのです。
ちなみに……
海の見える家に住んでいる同士だと、もう、そういった諸々の苦労も含めて海の見える家が好きな人だと分かります。なので、「ねぇー♪海の見える家、いいよねぇ〜♪」と、安心して言い合ってます。
つまり何が言いたいかというと……
海辺の土地とかに憧れて、現地で聞き込みとかしてて、海が見える家に住んでいる人に、ちょっとなんかウラがありそうな、怪訝そうな対応されたら……。
こう捉えてほしいのです。
これはちがう↓
× (外の人間だから冷たくあしらってやるぜ、ぐっへっへ)
まぁそうですねぇ……
実際には、これ↓
○ (えぇー……人によるからなぁ、どう答えたらいいかなぁ。いい!たしかにいい!ぜひ海の見える家に住んでほしい!ほしいが、この人は大丈夫なタイプの人だろうか?それとも違うタイプ?いやわからん!そんな初対面の人なのに、俺ごときがタイプなどわかるわけがない!しかし、当たり障りなくいいですよねぇだけだと、実際に住んで、あとで苦労してしまうかもしれない。ここはなるべく正確にメリット・デメリットを伝えたほうがいいだろうか?いやいや、でもデメリット伝えても、みんな最初は「大丈夫です」みたいなこというもん。海の魅力がすごすぎて強がっちゃうもん。それで1年くらい住んで冷静さ取り戻してから後悔するもん。恋かよ。で、まぁ、そこで「まぁいいか」となって住み続ける人と、まぁいいかとならない人がいるけれど、あなたはどっち?どっちのアキュビュー?くそーわからん!わからなすぎる!今だけ占い師になりたい!それに俺、海の見える家のこと語り出したら気持ちよくなって2時間は語ってしまう。なにこのおっさん長尺で語り出してんのってなってしまう。それは迷惑すぎる!どうこたえたらいいんだ!?くそー、正解がない!人生のようだ!とりあえず、なんか答えなきゃ沈黙が……!ちくしょー!俺は無能だー!!)
まぁそうですねぇ……
きもちわるいっていうな。
いつかあなたもそうなるんじゃい。
逆にいうと、質問ちょっと変えたらめちゃ話しやすくなる
「海の見える家、いいですよねぇ」につづく一連のやりとりは、バックグラウンドの違いによって、返答が変わるセリフです。
逆にいうと一歩踏み込んで、
「海の近くの暮らしって苦労もありますか?」
とか、
「景色がいい暮らしってどうですか?」
とか、
そういう質問になると、とたんに話しやすくなります。
※あと質問する前に、
・住んでいる地域
・職業
・趣味
・家族構成
・人生観
などの自己紹介も交えておくと、考慮にいれておしゃべりしやすいけど、こんなのコミュ力超上級者にしかできないと思います。
私はできません。全力で「怪しいもので……ふぇふぇ、すみまひぇん……へへ」と、ヘコヘコしてました。
今年、沖縄の海をみて、その魅力に人生すべてをもっていかれてしまった本気のかたは、ぜひ、現地での気まずさ解消をかねて、上のことを参考にしてみてください。
沖縄での家づくり、まとめてあります
営業というか、お知らせというか。
わが家、2020年竣工なので、ちょっと古くはなっちゃうのですが、私たちの沖縄での家づくりを有料noteにまとめています。
沖縄で家、憧れてるけど、よく知らないって感じの人には、時期関係なく役に立つ内容だと思うので、ご検討くださいませ〜
沖縄での家づくり、検討されているかたは購入して読んでみてくださいね〜♪