与那国島、静かな緑に包まれた山口陶工房。シンプルでやさしい輪郭の器
※記事の情報は執筆時点のものとなります(7年前の投稿)
私たちが訪れたときの与那国島は、晴れていて、とても静かでした。
11月も半ばを過ぎたというのに、初夏のような気温の島。
緑に囲まれた道を車で走り、比川集落へ抜けると、坂の途中に陶房への入口がありました。山口陶工房です。
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与那国島の焼き物陶房、山口陶工房
周囲を与那国の豊かな自然が取り巻く一軒家。
そこには、素敵な焼き物の陶房がありました。
沖縄本島のやちむんとは違い、白地の器が多く、実用的でシンプルな風合いを持っています。
土の質感を感じさせながらも、現代の暮らしに自然と寄り添うような形。
優しい丸み、思わず手にとってみたくなる焼きものたちは、与那国の静かで包み込むような自然の雰囲気とよく似ているような。
山口陶工房は、ご夫婦と息子さん3人で陶器を作っています。
それぞれが器を作るのではなく、ひとつの器を工程ごとに分担しながら、家族みんなで作りあげていくそうです。
そういった家族のやりとりなんかも、器の優しく、あたたかい雰囲気に現れているのかもしれませんね。
自分たちで建てた、陶房兼住宅
天井が高く、外と内が繋がったような素敵な工房は、住宅も兼ねたもの。こちらで器も買えます。
陶房なので、まさに陶器を制作している様子も見ることができます。
ご自宅兼工房は、こちらに移り住んだときに、自分たちで建てたんですって。
「島の大工さんに柱だけは建ててもらって、あとは自分たちでやったんだよ。最近はもう、あんまりないけど、当時は、ゆいまーるの精神も生きていてね。集落の方々も力を貸してくれて、みんなで一緒にやってもらったね」
ご主人の山口和昇さんが焼きものを作りながら、話してくださいました。
島らしい空気感、ゆっくりと時間が流れるような雰囲気。与那国の人々らしさが建物にも出ているような、気持ちの良い場所でした。
与那国馬の箸置き(試作品)
さてさて、私たちがなぜこちらへ訪れたかというと、以前、沖縄本島のお店で見かけたお皿が気になっていて、見に来たのでした。
しかし、なんとタイミングの良いことに、離島フェアーの直前でほとんど、器を那覇市に郵送してしまったばかりとのこと。切ない入れちがい。
「器は是非、離島フェアーに行って見てください」とのことでしたので、他のものを拝見させていただいていたところ、こんなものを発見。
か、かわいいー…
与那国馬をモチーフとした小さな焼きもの。確かに素朴で可愛い。
これいくらですか?と伺ってみたところ、「それ、まだ売りものではないんです。試作品なんですよ。」とのお返事が。
「まだ箸置きなのか、ペーパークリップなのか、何になるかもわからないんです。」
なるほど、売りものじゃないのかー。でも欲しい。
ダメ元で「2つばかり売ってくれません?」とお願いしてみたところ、快く売ってくださいました。
そんなわけで、わが家の箸置きは、現在、かわいらしい与那国馬さんがになってくれています。
離島フェアーで、無事、お皿を購入
その後、与那国旅から戻った後で、離島フェアーへいき、山口さんご一家と再会(奥様は島でお留守番でした)。お皿も購入できました。
大きめの丸皿。
きれいな質感で、とても気に入って使っています。