沖縄の軽石レポート|本島北部の海岸へ。陸と海の境目がきえるくらい大量
※記事の情報は執筆時点のものとなります(3年前の投稿)
ここ最近、沖縄のニュースをさわがせているのが「軽石」です。
沖縄の海を埋め尽くす軽石「桁違いの量だ」 専門家が驚く35年前との違い 回復に1~2年の見方も | 沖縄タイムス+プラス
【水中写真と動画】軽石の層ぎっしり「流氷の海を潜るよう」 沖縄・辺士名漁港 – 琉球新報デジタル
2021年10月末現在、沖縄本島各地で、海岸に大量の小さな軽石が流れ着いて、浜辺や海面を埋め尽くしてしまっています。
もともとは小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」で噴火が起きて、できたものだそうです。
なんと、黒潮にのって、ここ、沖縄にまで流れ着くんですね。
距離1500kmくらいありそうだけど……。
自然の力、おそるべし!
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現場にいってみると……ものすごい量の軽石
沖縄本島に住んでいる私にとっては、身の回りの問題なのでちょっと様子を見にいってみました。
ニュースで映っていた今帰仁村、本部町あたりの海岸まで車でひとっ走り。
すると……え?
軽石だらけ。
フランクな言い回しでいうなら「アホほどある」ってやつです。
みごとなまでにあたり一面、軽石、軽石、軽石、軽石、軽石……。
な、なんじゃこりゃ
思っていたよりもはるかに、いやマジではるかもはるかに大量の軽石が漂着しているではありませんか。
「波際にほわほわ漂ってるのかなぁー」くらいに思ってきてみたら、海岸一帯が軽石になっているような勢いで、ビックリしました。
おそらく、流れ着く量が多い場所だったと思われる。
たまたまだけど、虹までかかって、太古の地球に飛ばされたんじゃないかと、一瞬、思ってしまいましたよ。
でもアンパンマン落ちてたから、未来の地球かもしれないわ……。ディストピア〜。
【注意】どこから海なのかわからない
で、ここで注意なんですけど、波打ちぎわが思ったよりも危ないことがわかりました。
動画があります↓
2,3日前に今帰仁、本部方面の海岸に軽石を見にいったのですが、予想以上に大量。
軽石なので海面に浮いてしまい、陸と海との境界がわからなくなってます。
気づかず足が落ちました。浅かったからよかったけど、もし深い場所だったらと思うと怖かった……。
安易に海側にいかないほうがよさげ。 pic.twitter.com/nfSlJa3fiK
— みなみのひげ (@hsdrco) October 29, 2021
なんと陸と海の境目が、軽石によってよくわからなくなっているのです。
これ↓
どこから海で、どこから陸かというと……
こんな感じ。
近くで波があれば気がつけるんですけど、波が凪いでいて、遠くからパッと見ではどこから水があるんだか、よくわかりません。
思ったよりも手前から海でビックリしませんか? ここは遠浅な場所ではあるのですが、沖側の軽石ゾーンはおそらく2〜3mくらい水深があるんじゃないかと思うんですよね。
ちなみに海面に浮いている軽石は厚みが30cm近くになる場所もあるそうです。
そういう場所だと、泳ぐのも困難になるとのこと。
つまり、
- 子供たちだけ
- 土地勘のない人だけ
- 海難事故の対処を知らない人だけ
で、気軽に軽石をみにいって、安易に海側へ近づくのは、事故のもとですのでやめたほうがよさげです。
私も軽い気持ちで、海のそばまで見にいってしまい、ちょっと反省……
軽石で問題も出始めている
海岸の軽石、場所によっては問題も出始めているようです。
死んだ魚の胃袋に詰まる「軽石」 養殖魚が大量死 沖縄25市町村に漂着 | 沖縄タイムス+プラス
↑国頭村の漁港では養殖していたグルクマ(お魚)が軽石を飲み込んでしまい、たくさん死んでしまう事故が起きているもよう。
【一覧表・市町村の軽石被害】船、観光、漁業…「海人が生活できない」 – 琉球新報デジタル
↑各地の漁港でも、軽石によって船を出すと故障が起こるリスクが出てしまい、日常の海仕事に支障が出てきているところもあるのだとか。
あとはもちろん、白い砂浜が売りのビーチが軽石だらけになってしまい、ビーチの運営を終了しているところも出ています。
大いなる自然現象なので、「軽石を見物にいく観光ができるかなー」なんて、私は楽観的に考えていましたけれど、事故も起こりそうだしシンプルにはことは進まなそう。
こりゃ、なかなか深刻だぞ……
勝手に転売するのはやめてくださいとのこと
さてさて、そんな大量の軽石(邪魔)。
園芸用に使われたりするものらしく、大量にあるし、珍しいし、「じゃあ売ったらいいじゃない」と、メルカリなどのフリマで、さっそく売られているそうです。
商魂たくましいな。さすが〜
俺も売るか。
しかし、ちょっと売るのはストップしてください。
「拾ってもいい?」軽石に関心 園芸用に収集する人も 県「安全性分からず控えて」 | 沖縄タイムス+プラス
県には、大量漂着が報道される数日前から「拾ってもいいか」と問い合わせがあるという。環境整備課は、海岸の砂や石などの収集について「一般的には海岸を管理している組織と協議し、了解を得ることが求められる」と説明。海岸防災課は「どんな成分か安全性が分からない」とし、問い合わせが来た際は拾うのを控えるよう答えている。
安全性がわからないということで勝手に売るのは控えてくださいとアナウンスが出ています。
※そもそも海岸のものは勝手に拾っちゃダメなので、大量販売しようと考えてた人は気をつけてね。
沖縄好きなかたで「えぇーこんな何十年に一度のビッグウェーブ、乗る(買う)しかないでしょ」と思っているかたがいましたら、私、個人の意見を伝えさせていただきます。
おそらくですが、
いや、かなりの確率で、
よっぽどのことがない限り、
なくならないんじゃないかな
と思います。
少なくともすぐには無くせないと思います。
除去作業に20億円とかくらいかけたとしても、たぶん全部、撤去はできないと思う。
本当に、それくらい流れ着いてます
だから焦って買うことないと思うよ。
自然現象なのでヘタに漂着物に人の手をいれないほうがいいのでは? という意見もあります
問題にならない場所は、とりあえず静観しましょう。
10月29日より撤去作業が開始
この記事を書いている本日、29日より、撤去作業開始されているようです。
「こんな工事は初めて」軽石の撤去作業始まる 沖縄・辺土名【動画あり】 | 沖縄タイムス+プラス
深刻な問題が出そうな漁港から先に撤去作業がおこなわれるもようですが、業者さんもこんなの初めてなので、そりゃ戸惑いますよね。
いやーでも、われわれ、貴重な歴史の一場面に遭遇してるんですかね。
珍しい現象でそういう意味だと心を揺さぶられるものがありました。