沖縄最高の霊地「フボーウタキ」は、一般人立ち入り禁止の聖域
※記事の情報は執筆時点のものとなります(8年前の投稿)
友人と久高島へ行き、琉球信仰にまつわる観光スポットを巡りました。
「フボーウタキ(クボウウタキとも言うようです)」は、琉球信仰にまつわるスポットの中でも最高の霊地と言われています。
琉球を創った神様・アマミキヨが住んだ霊地を廻る巡拝、東御廻り(アガリウマーイ)の地のひとつでもあります。
現在でも、いろいろな祭祀が行われる場所だそうです。
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フボーウタキへ向かう
フボーウタキは久高島の中央の道沿いにあります。
入り口付近の様子。カベール岬に向かって左手にあります。
看板があるので、比較的見つけやすいかと思います。
元来男子禁制、現在は一般の人は立ち入り禁止
フボーウタキの入り口には立ち入り禁止の看板が並んでいます。
琉球信仰の特徴とも言えますが、昔から、神事を司るのは「女性」の役割だったようです。祝女(ノロ)という神官にあたる人のみ入ることを許されており、一般の人はウタキの入り口までしか入ってはいけません。
もともとは男子禁制で、女性は入れた時期もあったようですが、現在は男女ともに入場を禁じているようです。
入り口でも感じられる不思議な雰囲気
私は「霊感」というやつに非常に疎いので、あまり詳しくは語れません。
それでもまぁ、フボーウタキの入り口に来れば、なんとなくここが「沖縄最高の聖域」と言われる所以は感じ取れました。
やはり祈りを行う場にふさわしい、しっとりとした空気感と、静けさがあります。
あたりはアダンに囲われており、これまた、雰囲気があります。
雨も降っていたので余計にそれっぽい…。
12年に一度のイザイホー(三十歳以上の既婚女性が神職者になるための就任儀礼)もここを舞台にするとのことです。
非常に貴重な祈りの場所なんですね。
神秘と優しさ
霊的なことになると、むやみに話を大きくして神秘性をありがたがったり、怖がったり、見世物にしたりする人もいます。
しかし、そもそも島の信仰は「豊穣」や「人々の安全」など、素朴な願いを祈る心から生まれたものです。
久高島の信仰も、調べてみると「海へ出て漁をする男性を”海人”」、「島の生活を担う女性を”神人”」とし、生活の豊かさを祈ることから発達してきた経緯があります。
島の神秘は「人の優しさ」とも密接な関わりがあると、考えることもできるのです。
聖域ってとっつきにくいこともあるのですが、そのことを心に留めていると、島の信仰にも身近な気持ちで向き合えるかなと思います。