沖縄の所得は最下位だけど、1000万円以上の所得者数は全国9位の真相を探る!
※記事の情報は執筆時点のものとなります(9年前の投稿)
みなみのひげのひまつぶし話。
信じるか信じないかはなんとやらです。
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ピノ子さんが不思議なことを言った
ある日、ピノ子さんがこんなことを言いました。
沖縄県って、県民所得が低くて最下位っていうじゃん?
うん、そうらしいね
けど実は1000万円以上の所得者数は全国9位らしい(ドヤ顔)
えっ……!!!
そ、そうなのか……?(なんであなたがドヤ顔なの?)
話をくわしく聞こうとしたところ、「どっかで見かけただけでよくわからない」との返答が。
うーん、たんなるウワサ話か、都市伝説か..。
かくして真相は霧のなか。
私の頭の中は1000万円でいっぱいになりました。
ワイドショー根性の塊、みなみのひげ。
1000万円が欲しい気になって仕方ないのです。
それに、「沖縄 = 所得低い」のウワサに悩まされている移住希望者は少なくないはず。
もしこのウワサが本当ならば、じつは沖縄には1000万円をこえる所得者がかなり多いということになります。
「沖縄にはオキナワンドリームがあるんやで!(キラーン)」と、まわりに言いはることもできますよね♪
こりゃ調べるしかない!
真相をつかんでやろうと、リサーチしてみました。
沖縄県は所得が低いのか?
まずは、そもそもの話を。
沖縄県は県民所得が本当に低いのか。
これについて簡単にしらべてみようと思います。
「県民所得 ランキング」とかで検索すると、そのようなページはよく出てきます
たとえば、上のサイト「ねとらぼ」さんの記事をみてみましょう。
ランキングをみてみると……
(ちなみに2018年データ)
きました!
これですね。
ウワサの情報ですな。やはり最下位……
一方で、こちら↓
こちらではどうかというと……
(2012年のデータ)
……あれ、36位だ。
最下位じゃないぞ
よく見たら、上のランキングは県民所得の総数のランキング。
一人あたりの所得とは、みている数字が違いました。
とまぁ検索してページをみて一喜一憂していると、かえって混乱するので統計情報も探ってみます。
実際に国の出している県民所得の統計情報を見てみる
【衝撃の一人当たり県民所得】岐阜は愛知の77%、沖縄は東京の39.8%。|秋元 祥治の記事を読んでいたら、そのような統計情報があるらしく、たどり着いたのが内閣府の出している「県民経済計算(平成13年度 – 平成24年度」のデータ。
県民経済計算(平成13年度 – 平成24年度)の「1人当たり県民所得」のエクセルファイルをダウンロードして所得順に並び替えをしてみました。
なんかびっしりのこんなやつです。
2012年が最新みたいなのでそちらをみてみると……
…泣
に、2011年、2011年はどうだ!?
…泣泣
2010年は!!
もしかしたら……
…泣泣泣
ふぅ……。
まぁみごとなほどに最下位だわな
でもなんかもしかしたら私がエクセルの操作とかミスってる可能性もあるしね。統計情報って、やっぱ集計自体にそれなりに限界もあるしね。それに沖縄経済って今、盛り上がりすごいらしいし、2013年のデータから一気に上位になってる可能性もあるしね。
そしてなにより、世の中、お金がすべてなわけじゃないからね。
ひとりあたりの県民所得(つまり平均値)が最下位なのはわかりました。
しかし気になるのは、先ほど総所得では36位だったこと。
あの数字……なに?
匂う……。
なんか匂うぞ。
1000万所得者の数が全国9位の実態を探る
さてさて、本題。
ピノ子さんの言った1000万円所得者数の話です。
まずはそのまんまウェブを検索してみます。
するとさっそく、NAVERまとめの「沖縄の現実情報」(2015年時点のことです。NAVERまとめがあるなんて、なつかしいですね。)に気になる記載が..。
こ、これは香ばしい……。
というかこれでしょう。
引用もとのサイトを辿ると、都道府県の統計情報をつかっていろいろなランキングや格付けをやっているユニークなサイトでした♪
※2010年分の申告所得税の確定申告者について、国税庁が発表している「所得階級別人員数」という情報をもとに算出しているようです。
そこのランキングで沖縄県が9位のもよう。
サイトで使われているデータ元が国税庁の統計情報だったので、そちらをのぞいて私の方でも算出作業をし、検証してみます。
※当時、「直接税|統計情報|国税庁」というページがあったのですが、リニューアルで移動したため、更新時点で最新統計(令和3年度)でのURLをこちらに記載します。
こちらの「所得階級別人員」という資料のようです。
みてみます。
こんな感じのエクセルが。
わー数字でおなかいっぱい。
負けない!
1000万円の真相を探るまで、集中!
みつけた!
「都道府県別の人員」があります!
これが実際のデータですね!
いやーしかし、所得額別に納税者数が記録されているとは……。
こんな生々しい階級が世にあるなんて知らなかったですよ、本当。
はたしてオキナワンドリームはあるのか!?
さて、この「所得階級別人員」を、例によって1000万円以上(正確にいうと、1000万円以下より少ない額の項目を除きました)だけにして、都道府県別、多い順に並べてみます。
すると……
へ? 9位じゃないの??
なんだなんだと慌ててみたら、もとサイトのほうは「人口1000人あたり」にして、ちゃんと調整してならしてありました。
たしかにそうですね。
そのまんまだと、人の多い県が優位になっちゃいますもんね
というわけで人口1000人あたりにして、所得1000万以上のかたが何人いるかを算出!
都道府県ランキングにした結果……
(人口1000人あたりに48〜49人)
私の使った資料は2013年のデータでした。
(ウワサのもとになった資料は2010年のデータ)。
そのせいか、若干順位が変わってます。
2010年は9位、2013年は11位になっちゃったんですね。
いやでも、十分すごいですね!
オキナワンドリーム、本当かも!?♪
ちょっと下がっちゃったみたいですが、どうやらウワサは本当のようです。
あながちオキナワンドリームも冗談ではないのですね!!
わーい♪
とはいえ、1000万円以上の所得がある人はどんな(職業・立場の)人なのか、ここまではさすがにわかりませんでした。
いつか新たなウワサが出てきたらまたしらべてみようと思います。
追記:令和3年現在、沖縄は何位になったか!?
データが古くなったかと思って、ひっさしぶりに記事を更新しました。
最新の令和3年度のデータをひっぱってきて、同様の手順で算出をしてみました!
すると……
(人口1000人あたり99〜100人でした)
あらら、下がってきちゃいましたね。
でも人数は2倍くらいになっている!!
(私の計算が合っていればだが……)
「県民所得、万年最下位の沖縄がじつは……」と胸を張るには十分な数値!
いやぁ秘めたる沖縄のパワーを感じました♪
以上、ワイドショー、みなみのひげでしたー!
※この記事を書いている私、みなみのひげは統計の専門家でもなんでもありません。算出の精度は世間話のネタレベルですので眉唾ものだと思ってください。ウワサを真実の如く、活用しないようお気をつけくださいませ〜。