沖縄移住後、2ヶ月目でハプニング。うつ病になりかける
※記事の情報は執筆時点のものとなります(9年前の投稿)
沖縄に移住して、やっと小学生からの夢が叶ったー!
沖縄移住ライフハックも始めて意気揚々!
そう思いきや、2ヶ月目で深刻なハプニングがおきます。
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移住2か月目で深刻なハプニング
ある日の夕方、急に心に異変が起きる
今でもリアルに思い出せます。
近くのイオンに食料品や日用品の買い出しに行ったとき、なんだか疲れがとれないような頭が重いような気分だなぁと思っていたら、帰り際、10分、15分くらいの間に気持ちが落ち込んできて、喋れないくらいになりました。
妻に運転をしてもらい、助手席に座っていると、風船の空気が「プシュー」と抜けるように元気がどんどんなくなっていくのが分かりました。急にすべてが面倒になり、この先なにもいいことがないくらいの絶望感に襲われ、何だか頭もボーっとするし、泣きたいような気分なのに怒りたいような気分になるし、なにこれ?どうなってるの?!と、心のなかで混乱していました。
最初は異変に気づかれなかった
妻は最初、私の異変には気づかず(はたから見たら普通に黙ってるようにしか見えない)運転しながら、アレコレ楽しそうに話しかけてきました。でも私は話を聞くのも億劫だしイライラするし、なぜか泣きたい。
返事ができないまま黙っていると、どうやら私が怒っていると思ったらしく、「私、なんか悪いこと言った?」と、聞いてきたりもしました。もちろん妻からしたら心あたりはないので「なんでこいついきなりキレてるんだ?」と憤っていたことでしょう。
一方私は頭のなかで「なんじゃあこりゃあ?!」と、撃たれた直後の松田優作のような気持ちを携えながらも、気持ちはどんどん落ち込んで無表情で帰宅をしました。
帰宅しても変わらずおかしい
家についても風船の空気は「プシュー」のまま、どんどん元気がなくなり、落ち込みが激しくなり、泣きたいようなイラつくような感覚はひどくなる一方。
この状態になっても、身体を動かすエネルギーがないので、泣きわめいたりするようなことはできません。
無表情でソファに座って固まっていると、多分、妻は私を元気な気分にさせようとしたのでしょう。陽気に「夕飯一緒につくろうよー♪」とか「ほらほらいつまでもムスッとしてるとくすぐっちゃうよー!」など、いろいろやってきました。もちろん逆効果。イラつきが増幅します。
思ったより思考は冷静だったので、私は心の中で「ちゃいまんねん!!なんかおかしいんでっせー!」くらいのことをツッコミしていましたが、残念ながら表(声や表情)には出せず「うぅー」と言いながらソファに横になりました。
結局、その日の夜はソファに横になったままゴロゴロするくらいしかできませんでした。
次の日も状況が変わらない
次の日、朝起きても昨日の症状は続いていました。朝起きて、「あ、これはなんかやばいな」と心のなかで思ったのを覚えています。案の定、朝ごはんを食べてしばらくしてもやる気が起きず、むしろ昨日よりも絶望感は増してきて、とうとう理由もないのに涙が出てきて止まらなくなります。
この時点で、妻は仰天。
私はあんまり涙を流したりしない性格で、感動ドラマとかを見たって泣きもしないのでつまらん男だと言われていたくらいなのです。
それが、無表情でダラダラ涙を流しているんですから、完全に異常事態。
妻に精神科に連れて行ってもらう
精神科でふたりして泣く
異常を察した妻から「精神科に行く?」と言ってもらい、心のなかで「でかした!」と思いながらうなづきました。
その日は予定を変更し、家から一番近い精神科に行くことになりました。
いやはや、自分が精神科のお世話になるとは。というか、夢の沖縄で精神科に行くことになるとは。人生何が起こるかわかったもんじゃないですね。
精神科は行ってみると普通の外来とあんまり変わりませんでした。妻に受付をしてもらい、椅子に座って呼ばれるのを待ちます。私はそのあいだ、謎の絶望の波が押し寄せては涙が溢れるというのを5分間隔くらいに繰り返していました。
妻も、私の状態に耐えかねて隣でシクシクと泣き始める始末。ふたりして待合室でシクシク泣く夫婦は、精神科病院のなかでもなかなか目立った存在だったように思います。
途中、私を元気づけようとしたのか、昆虫の本(私は虫が大好きです)を広げて見せてくれました。
「お、気が効くね」くらいに思って読もうとしたのですが、絶望の波がきて「うぅー泣」と泣いてしまい読めません。頭と身体と感情がちぐはぐになった感じです。
うつ病とは診断されなかった
しばらくすると診察室に呼び出されて、精神科医のかたに相談しました。
最初、二人とも泣いて入ってきたので、案の定、「えぇ..、(患者さんは)どちらのかたですか?」と聞かれました。
精神科医のかたからは、家族構成と病歴、生活歴、どんな症状かなどを聞かれ、妻に答えてもらいました。妻も泣いていてうまく説明できないところは、力を振り絞り、半泣きで私も家族構成や生活歴などを答えました。(頑張ればまぁ喋れるもんなんだなぁ、と、このとき思いました。)
私の場合、短い期間に、一気に精神状況が変わったため、症状はあっているものの「うつ病の定義」に当てはまらず、うつ病と診断できないとのことでした。
うつ病の場合、数週間同様の症状が改善せず継続している場合に診断されるそうで、現時点では「短期的に起こる強い落ち込み状態」とも考えられるとのこと。
とはいえ、症状はうつ病と似通っているため、今までの生活を続けると悪化する可能性が高いです。精神科医のかたからは「1週間くらい何もせずに休んでください。今、やっている活動、お仕事などですね、それは全部やらないようにしてください」と言われました。
診断が終わって
「1週間、様子を見てみて、もし状況が変わらなかったらまた受診してください」とのことで、その日は受診が終わりました。
隣で泣きながら話を聞いていた妻は、看護師の人から24時間コール対応の電話番号を教えてもらい「何かあればすぐに連絡して大丈夫ですからね」とコメントをもらってほんの少し落ち着いたようでした。
本当に申し訳ないなぁと思いつつも、やっぱり無表情で涙を流したまま、私は何もできずにいるのでした。
落ち込んでいるのに頭は冷静?
さて、ここでひとつ気づいたことを書いておきます。
専門家じゃないのでよくわからないのですが、こういう鬱っぽくなった時って、ものも考えられないような状態になるのかと思っていたのですが、私の場合、思考だけは冷静でした。
こう、なんていうんでしょう、身体も感情もボロボロで全くいうこときかなくて、非常に苦しいのは確かなんですけど、一方で、頭の一部はちゃんといつもどおりの自分が残っていました。
実は妻が泣いていた時も、心のなかでは「こりゃ看護師さんが見たらどっちが患者かわからんね笑」と呑気に思っていましたが、表には出せないし悲しい気分にはなるしで、無表情で淡々と泣いていました。
これってうつ病になったりした人もそうなんですかね?ただ単に症状がまだ軽いからこういう感じだったのかな?
ちょっと理由はわかりませんが、とにかく、私はこんな風に一部冷静でした。
なんにもしない生活へ
予定やタスクを全部キャンセル
この日からなんにもしない生活を始めました。
妻から「あなたは何も心配しなくていいから。しばらく何も考えないで好きに過ごして。ゆっくりして。」と言ってもらい、無表情で涙ダラダラの私はその言葉に甘えて家のソファに座ったままボーっとしていました。
この時期は、無職とはいえ何もしないのもまずいだろうと、知り合いからデザインの手伝いを受けていたのですが、妻のほうにキャンセルを入れてもらい契約を解除してもらいました。
妻と一緒にやっていた家事や掃除も、買い物も全部やってもらい、本当に、ただただボーっとすることに専念しようと決めました。
変な話ですが、無職だったのが幸いしました。何もしない状態をすぐに作れたので、その日から何も考えずにボーっとすることができました。
もし就職をしてから移住していたら、仕事を始めてすぐに1週間も休むのはなかなか気が引けますし、この先どうなるか分からない状況なので、会社としても私の評価を微妙にせざるを得ません。そう考えると、たぶん私の性格なら多少無理をしてでも出社していたように思います。
この時ばかりは無職で助かりました。自分は運が良いなぁ、と心底思いました。
2、3日、泣き続ける
「はぁー、沖縄にいったい何しに来たんだ」、「このまま治らなかったら、ずっとうつ病のままなのかなぁ」、ボーっとしながら、冷静な私は色々なことを考えていました。
絶望の波は変わらずに押し寄せて、5分に1回くらい涙ぐみ、そのうちの15回に1回くらいは嗚咽が止まらないほどの号泣になりました。息が苦しいくらいです。
「人間って理由もないのにこんなに号泣できるものなんだ!!」と、冷静な私は発見でいっぱいでした。隣で様子をみていた妻からしたら不安で仕方なかったことでしょう。
そのうちソファに座っていると腰が痛くなってきたので、ベランダに出て海を眺めていました。海が見えるように一生懸命選んだ部屋からの景色が、まさか号泣した涙で霞むとは。2ヶ月前には想像できませんでした。
そんな風にして、泣いてはボーっとし、泣いてはボーっとするを2、3日、繰り返しました。その間、妻は私を変に励ましたり、話しかけたりすることもなく、放っておいてくれました。妻自身も不安に苛まれていたはずですが、私を優先してくれて、淡々と家事や買い出しを担ってくれて、本当に助かりました。
おかげさまで、1週間もしないうちに状況は改善しました。
ボーっと生活3日目あたりで、ふと「いやしかし、こんなになんにも考えずに生活してるの、ここ数年なかったなぁ」と考えた時、身体に快適さを感じました。この時に「あ、なんか治りそうだな」と思ってから、復調が早くなったように感じます。まぁ気のせいかもしれませんが。
1週間後の診察では「やはり短期的な落ち込みでしたね。よかったですね」と精神科医さんに言ってもらいました。いやはや、本当に良かったです。
振り返ってみると短期間にライフイベントを詰め込みすぎた
ボーっとするなかで、こんな風になった理由を振り返ってみると、短期間にライフイベントを詰め込みすぎたなぁ、と反省が思い浮かびました。
自分の人生において、ライフイベントなんてものは年単位でもなかなか起きないものです。それなのに、たった2,3ヶ月の間に、いろいろなイベントを起こしすぎました。
「結婚(男性は責任感にプレッシャーを感じるのです)」
「退職(上司と交渉1ヶ月はなんだかんだ体力消耗した)」
「沖縄移動(怒濤の契約関係に心労が溜まる)」
「無職生活(これが意外と精神的にはきつかった)」
上から下まで今後の生活が大きく変わる判断ばかり。
普段より数倍もプレッシャーのある判断を自分に安易に求めていたので、ちょっと一息ついたタイミングで精神的な疲れが全部出たんだろうなと思います。
私が体験したうつ病(っぽい症状)まとめ
一応、私の場合、診断上は「うつ病ではない」状況です。
ただ、症状が似ていて休まないと悪化しそうだったことと、発生状況的には誰でも起こりそうな気もするので、まとめておきます。
- なんか頭が重い、だるいな、という予兆
- 15分くらいの間に急に落ち込んでいく
- 風船から空気が「プシュー」と抜ける感じ
- 絶望感・悲しみ(泣ける)・いらつきが同時に起こる
- 頭の一部は冷静(側から見ても分からない)
- だるさ、やる気が全く出ない!(力が抜ける)
- 理由もないのに涙が止まらない(号泣)
- 2,3日は何もせずボーっとした
- 2,3日は1時間に1回くらい謎の号泣があった
- 放っておかれると楽
- 5日目くらいから無表情で喋れた
- 7日目は普通に喋れた
ご自身が上のような状況だったり、近くの方が急に押し黙ってだるそうなどがあったら、もしかしたら「うつ(っぽい状況)」なのかもしれません。
おかしいなと思ったら、まずは精神科や心療内科を受診し、症状を診断してもらってから必要な対策を講じましょう。
うつは、本当に誰にでも起こった!
自分でいうのもなんですが、一般的にイメージされる「うつ病」の状態からは、縁遠い性格をしています。とびきり明るい訳ではないですが、だいたいいつも元気だし、「適当ポジティブ」という謎のアダ名がつくくらい、後ろ向きな感情になりません。
それでもうつ病になりかけたということは、やっぱりこういう精神的な病って人格とは関係なく誰にでも起こりうるものなだろうなぁ、と思います。普通に疲れが長期的に溜まるだけでも起こり得ると思います。
治ったら、あの1週間はなんだったんだというくらい元通りになったので、うつ病が「心の風邪」と言われる理由もなんとなくわかりました。
風邪ってことは予防が大事。
このことがあってからは、メンタルケアに関する情報も勉強しながら、「詰め込み厳禁」「責任感はほどほどに」「疲れたらサボる」など、沖縄でいう「てーげー」な心がけをもつようになりました。
落ち込んでいる間、一緒に泣きながらもほっといてくれた妻には感謝でした。
まぁでも「迷惑をかけて申し訳ない」と思うと、かえって精神的によくないみたいなので、「ありがたやありがたや、今度はもう少し楽な迷惑をかけます」くらいに思ってます笑
この経験をもとに、メンタルコントロール記事を別ブログでたくさん書きました
みなみのひげが書いたメンタルコントロール記事
人生、いきなり「うつ」になってたのではたまらん、と、色々とメンタルコントロールを調べて記事にまとめました。題して「普段、明るい人のためのメンタル対策!」です。別ブログに書いています。
「やべ、私、そうかも」というかたはぜひ!
うつ対策じゃなくて、イライラ対策とかでも役立つ記事も書いてますよ〜。
妻ピノ子サイドが書いた記事
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↑こちらは妻ピノ子側の視点で書いた記事です。
次は時間が前後しますが、移住後、1か月くらいで初めて友達ができました。そのお話です。