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昆虫に関する記事

沖縄は真冬もクワガタ採集できる?12月にバナナトラップ仕掛けてみた

※この記事には虫や爬虫類、甲殻類等の生き物の写真・動画が出てきます。苦手なかたは閲覧をお控えください。
昆虫採集

昆虫採集にハマる息子と私

最近、息子と昆虫採集するのにハマっている私。

なかでもクワガタとりが親子ともに大好きで、今年は夏中、クワガタをもとめてさまよっていました。

しかし9月も終わり、秋、そして冬の陽気ともなれば、さすがにクワガタのシーズンも終了……と、思っていた矢先のことでした。

沖縄では年中、クワガタがいるよ

ネットで目にした情報に、こんなことが書かれてるではございませんか。

ホントに?

私の目はキラリ。

しかも調べてみると、どうやら本当らしい。

オキナワヒラタクワガタ」というクワガタは、沖縄のような、冬場でも最低15度くらいの気温だと、年中、活動が可能なのだそうです。
ただし、冬場は土に潜っていることが多いそうで、掘って探すらしい。

まめたー!冬でもクワガタとれるらしいよ!

えー!とりにいきたーい!

シャベルで木の根元とか掘るんだって!

えー……じゃあいいや

なんで!?

なんでか知らないのですが、息子はふつうのクワガタとりは好きなのに、シャベルで掘るクワガタとりに対しては、ものっすごいノリが悪い……。

息子がいないとなると。
私ひとりでクワガタ、クワガタ、ウロチョロしてるのもなんだしなぁ。

うーん、じゃあやめとくか

……そう思って一旦はあきらめました。しかし、かえって行けないとなると、ふつふつと湧くクワガタとりたい欲求

だって冬にクワガタ、見たことあります?

私、沖縄にもう8年住んでますけど、一回も見たことないですよ?
(本当にいるのか?)

気になってしかたがない。
クワガタが欲しい。

あっ!そうだ

いいことを思いつきます。

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温かい日にバナナトラップを試してみることにした

沖縄本島の冬は1月、2月の真冬となると、だいたい気温は14、5度くらい。
これ、沖縄県外の人からしたら、じゅうぶん温かい気温なのでしょうが、現地に来てみると体感的にかなり寒く感じます。

北風が吹くので、気温よりひとまわり寒く感じるのです

この状態だとさすがにクワガタも活動しないだろうなという感じ。

一方、冬の入り口にあたる12月上旬では、まだ秋(夏?)の余韻があとをひいていて、日によってかなり気温が上がることも

たとえば、上の記事で参加した「那覇マラソン」の当日なんかは、12月4日にして日中、最高気温27度超えを記録しています。
すげぇ暑かった……。

そう、沖縄の12月は寒いながらも、スポットでちょこちょこ温かくなるのです!

これ、ワンチャンあるのでは?

バナナトラップ、仕掛けてみるか……

もしかすると、12月でも気温が夏並みに上がる日だったら、クワガタも土から出てくるかもしれない。

そこにたまたまバナナトラップがあったら……

むしろ冬場だし、エサ場も少なそうだし、クワガタからしたらバナナトラップが貴重な食糧に感じるかも……!

1匹くらいいけるんじゃね?

うん!
やってみるのが早いですね!

実際に実験してみることにしまししょう!

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バナナトラップを準備する

さっそくバナナトラップを準備します。

01バナナを準備

クリスマスBGMが流れ出したスーパーで、クワガタのためにバナナを購入します。

バナナ

スーパーで安かったバナナを購入。発酵させるので悪いバナナでOK

通常サイズのバナナで2、3本あれば、とりあえずは1箇所設置するにはじゅうぶんでしょう。

たくさんの場所に設置する人は、何本もつかうようです

02密封袋にいれて発酵させる

ジップロックなどの密封袋に、適当にカットしたバナナと、以下の材料をいれて発酵させます。

  • 焼酎など酒
  • 黒糖(あれば)

バナナに対して追加すると発酵が早まったり、クワガタの好きな糖分が増えたりします。
(なくてもいいです。)

WATTA

焼酎……ないからWATTAでいっか。クワガタも南国フルーツのほうが好きでしょう?(甘いので黒糖も省略)

ポイント

ちなみに「イースト菌」をいれて、発酵を早めるテクニックもあるようです。沖縄は温かくて速攻で発酵するので、私は使ったことありません。

2〜3日、温かい場所で発酵させたら完成です

バナナ

発酵すると真っ黒で見栄えが悪いので、これは発酵前のバナナ写真です

冬場は気温が低く、発酵がなかなか進まない時期なのですが、ここは沖縄。やはり12月上旬は温かく、最高気温24度くらいの日が続いて、夏場と同じ日数で発酵しました。

03バナナをいれるトラップ、今回は「ノムラホイホイ」を参考に

通常、バナナトラップはいらないストッキングや、くだものの網などにいれて木に縛り付けるのですが、今回は別アイデアを試すことに。

その名も”ノムラホイホイ“です!

関連ノムラホイホイのテクニック|国立科学博物館

ペットボトルを使って作れる、返し付きの罠。

夏場、夜にクワガタを見にいったときにハブと遭遇したため、なるべく息子と出歩くのは明るいうちがいいなと……。ならば夜のうちにかかったクワガタが、出てこれないように罠にも仕掛けをいれておこうと思い「ノムラホイホイ」の作り方を参考にしてみました。

余った500mLペットボトルをカッターで切って、ガムテープで貼り合せ……。

じゃーん!

ノムラホイホイ

ノムラホイホイリスペクトな何か

……似ても似つかねぇ!

返しつき

ちゃんと返しはつけたから、これでとれるはず

まぁとりあえず、ペットボトルを切って、返しにしたから、よしとしましょう。
(だいたい一緒よ、だいたい。)

あとはクワガタが滑らないように、余っていた畑の防風ネットを巻き付けました。

わがやのバナナトラップ

ノムラホイホイとはだいぶちがった雰囲気の、わがやのバナナトラップケース(ゴミではありません)

うん……まぁ、使えるからOK!!

ペットボトルに釣り糸をつけて、木に縛れるようにしたら完成です。

ノムラホイホイで虫を溺れさせないように

かえしがついた罠を作るときは、雨が溜まったりしないよう底に穴をあけましょう。また水生昆虫に使用するときは、虫が水面へ出れるような位置に設置しましょう。せっかくの昆虫が溺れてしまいます。配慮しましょう。

04準備完了!設置の際はマナーを大事にね!

さぁあとは設置するだけです!

木にバナナトラップをつけるときは、以下のような昆虫採集マナーに注意しましょう。

採集マナー

  • 近隣に迷惑をかけない
    匂い問題、ゴミ放置、不法侵入など×
  • 近隣の人に不信感を与えない
    挨拶、コニュニケーション
  • ゴミは出さない
    トラップ放置が田舎の社会問題になってます
  • 周辺の自然を破壊しない
    花壇を踏む、木を傷つけるなど×

まぁ常識といえば常識ですね。

トラップを仕掛ける際は、先んじて近隣のかたに「昆虫採集でバナナトラップやります」と伝えておきましょう

近隣に知り合いがいないような場所ならば、なるべくやらない。
最悪でも目的、連絡先や設置日・回収日を書いた「メモ」をトラップにくつけておくといいです。
(問題があったら、連絡をしてもらえるので。)

トラップを仕掛けて、そのまま捨て置くのは絶対にやめましょう……

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バナナトラップを仕掛けてみる

さぁさぁ、お待ちかね、バナナトラップを仕掛けてみますよー!

那覇マラソンのある頃にあわせてトラップを完成させると、みごとなくらい陽気が温かくなるではありませんか

最高気温26度くらいある!

よーし、これは期待大!

バナナトラップはだいたい仕掛けてから早くて3日、通常1週間くらい放置して、じゅうぶんに周辺のクワガタが集まってから見に行きます。

今回は返しで出てこれない罠なので、1週間たっぷり待つ計画に

1週間後に息子をつれていく予定にして、とりあえず、私ひとりで今年、クワガタを見つけた木にバナナトラップを仕掛けに行きます!

バナナトラップ

今年、クワガタを見つけた木にバナナトラップを仕掛ける

OK!!

設置完了!!

しかし、現地にきて気づきました。
夏場と雰囲気がちがう……。

やはり冬になったせいでしょう。夏は緑にしげっていた枝葉も黄緑色になり葉数も少なくなっています……。

うーん……まぁ、運がよければいける……のか?

気温的には温かかったのですが、そこに賭けるにはどーも不安がある雰囲気。今日あたりから、ちょっと曇も多い。天気が気になり、アプリを開くと、週間天気は雨予報……。

ぉおふ……

このへんで冷静さを取り戻しだす、私。

そうなんですよ。よくよく考えたら最高気温が26、7度になるだけであって、最低気温は20度を切る、12月の沖縄

夏場のように夜でも28度みたいな状況とは、大きくちがうんです。

……。

寒暖差も激しいし、北風も吹くときは吹く。

……。

夏に樹液がでていた枝も、今は樹液が枯れているもよう。

……。

さすがにダメかなぁ。

息子をくどいて木の根元を掘ってみるか……

そう考えをあらためだして、木の根元を見つめます。

するとそこに、なにやら黒いものがくっついている。

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……

……

……

ヒラタクワガタ

This is オキナワヒラタクワガタ

ふつうにいた!!

まさかのふつうにいた

なんということでしょう!

来てみたらいました

バナナトラップまで準備したというのに、まさかの展開。

え?なに?
おまえら土に潜ってんじゃなかったの?

12月のオキナワヒラタクワガタ

There are オキナワヒラタクワガタ

2匹のオキナワヒラタクワガタをゲット!

ふつうに木にくっついてたけど……

よくみると、根元付近にわずかに樹液が流れ出ています

うわ!
そうか、これを食べに集まってきてたんだ。

うわー、そうか、ふつうにクワガタいるんだ、12月……!

私、みなみのひげ、亜熱帯沖縄のポテンシャルに大感動です……!

もう〜沖縄ハンパないって〜!アイツハンパないって〜!12月やのにめちゃふつうにクワガタいるもん!そんなんありえんやん、ふつう。そんなんある?言っといてやぁ〜、いるんやったら〜!

by みなみのひげ

そしてうっすら気づきはじめます。

あれ?

もしかして?

バナナトラップ、大成功すんじゃね?

1週間後

はぁっ、はぁっ

おとうさん、はやく!!

待って……いやこりゃ大漁だぞきっと

ぜったいに大型ヒラタクワガタがいるよ!

そこには期待値MAXで大興奮する親子ふたりの姿。

バナナトラップをみてみると……

カマキリ

カマキリだけいた。

なんで!?

なんで!?

なぜかカマキリ。そしてトラップの中は小さなハエとナメクジばかりで、クワガタはゼロでした。

まてまて大漁じゃないの!?
この流れで大漁じゃないのー??

おとうさん、ヒラタは!?
大型のヒラタは!?

いやぁおかしいなぁ。
だって、こないだはいたのよ。こうやって根元のあたり見たら、こういう黒いやつがついててさぁ……

オキナワヒラタクワガタ

This is オキナワヒラタクワガタ too

……

……

……

いたぁ〜!!!

いたぁ〜!!!

なんかデッカいのいたぁ!!!

バナナトラップにはクワガタのクの字もなかったのに、根元の樹液にはデッカい「オキナワヒラタクワガタ」がついていました。

サイズを測ってみると、なんと、今季、私と息子でつかまえる最大のサイズ!(5.5センチ)

すごー、ほんとにいるんだぁ

まめた、これ飼うことにした!

というわけで、一番大きかったヒラタクワガタはお持ち帰り。おうちで飼育することにしました。

クワガタと戯れる息子

夏に捕まえたヒラタたちに新たな仲間が加わり、ごきげんな長男まめたろう

バナナトラップ大成功……ではないけれど、結果オーライ!

よかったよかった!

12月のクワガタ事情まとめ

というわけで、みごと、つかまえました!

オキナワヒラタクワガタです!

クワガタ採集ガチ勢のかたへむけて、ポイントをまとめると……↓

前情報通り、どうやら年間通して活動しているようですね。土に潜っているとのことですが、樹液がでているなら、餌場にもいるようです。ただ土に潜ることが多いせいか、根元付近にいることが多いのかもしれません。(どのときも根元付近におり、夏場の個体とちがって。どのクワガタも体に泥がついていました。)
活動にはやはり気温が関係しているように思います。クワガタを見つけたときは24〜26度と、かなり温かい陽気でした。時間帯は最初が夕方16時、次が昼間14時と、日中でも温かければ出てきているようです。
くわえて天気もポイントかもしれません。実はクワガタを見つけたどのときも、1時間後くらいに大雨が降っています。気温に加えて、雨の前の湿度が上昇しているときなど、もしかすると土から出てくる条件になるのかもしれません。

そして……えぇと……、バナナトラップには見向きもしてくれませんでした

なんでよ

WATTA

思い返すと、「WATTA」かなぁ……。WATTAにはクワガタ、馴染みがなかったかなぁ。わりあい新作だもんね。

ちなみにこの記事を書いている12月末現在まで、週2、3ペースで、クワガタのいた木を見にっていますが、あれ以来、1匹もつかまえていません。気温が下がっちゃったからなのか、あれが奇跡だったのか、よくわかりませんが、まぁでもとにかくいたことは事実!

というわけで、今回の結果をまとめるとこちら!

沖縄の12月にクワガタはいる!(バナナトラップには入らない!)

バナナトラップ必要なかった……!!!

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