オカヤドカリの宿貝
オカヤドカリは他のヤドカリ同様、貝を背負っています。
身の危険を感じるとスルリと宿貝の中に隠れて身を守ります。
また貝の中に水分を溜め、皮膚呼吸を行うのにも貝は重要な役割を果たします。
陸上生活をするのにもヤドカリにとって、宿貝はなくてはならないものなのです。
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宿貝によく使われる貝
オカヤドカリは浜に漂着した貝殻やカタツムリの殻を宿貝として利用します。オカヤドカリが宿貝に利用する貝の種類は100種類以上あると言われています。
とはいえ沖縄の海岸でよく見つかるオカヤドカリ(ムラサキオカヤドカリが多い)たちの宿貝は、よく見てみると、いくつか貝の種類にパターンがあります。
ヤドカリのサイズごとに、利用されやすい貝の種類があるようです。
図鑑をもちいて調べてみました
サイズごとによく背負っている貝の種類はこんな感じ。
大型個体の宿貝
10cm程度の大型の個体がよく宿貝にしている貝は..
- チョウセンサザエ
- アフリカマイマイ
※10cmを超えると、ほぼ「チョウセンサザエ」を背負っていますね。
中型個体の宿貝
4-6cm程度の中型の個体がよく宿貝にしている貝は..
- フジツガイ
- イトマキボラ
- アフリカマイマイ
小型個体の宿貝
1-2cm程度の小型の個体がよく宿貝にしている貝は..
- アマオブネ
- カワニナ
- タマキビ
- オキニシ
- タマガイ
などでした。
小型はけっこういろいろな種類の貝を背負っているので、見ていて楽しいですね。
オカヤドカリは脱皮を繰り返し成長していきます。
そして、その都度、自分の体のサイズに合った貝を見つけると宿貝を変えます。つまり引っ越しですね。これを「宿替え」といいます。
自然の浜では、ちょうどいい宿貝が必ず見つかるわけではありません。
自然界ではオカヤドカリたちは常に住宅難。いい貝があっても、力の強い他のオカヤドカリに奪われてしまうこともあります。
そのため、海岸に漂着したペットボトルキャップなど、ゴミを宿貝代わりに使う個体もいます。
海岸を歩いているとたまに見かけます。
今度、見つけたら写真撮ってきますね。
- オカヤドカリのゴミ問題?
- オカヤドカリは自分の宿貝を削って居心地をよくしたり、背負っている貝殻を食べたりします(ミネラルなどの補給と思われる)。ってことは、プラスチックゴミを背負うヤドカリはそれを食べてしまう可能性もあります。
ゴミを背負うのはものめずらしくて見てる側はいいのですが、当のヤドカリにとってはなかなツラい話なのです。
沖縄でのオカヤドカリの宿貝事情についていえば、ここのところ外来種の「アフリカマイマイ」がよく使われています。
これについては別記事にまとめましたので、そちらを読んでみてください。