オカヤドカリの宿貝に外来種の住宅バブル?
※記事の情報は執筆時点のものとなります(6年前の投稿)
野生のオカヤドカリにとって、「宿貝」は常に困窮しているアイテムです。
自然下だとオカヤドカリ同士で宿貝の奪い合い、争い合いが起こるのがふつうで、宿貝が手に入らないからゴミを背負うやつもいるくらいです。
しかしどうも最近の沖縄は、中〜大型サイズのオカヤドカリに限って住宅バブルが起きているように思います。
私、時間があるとオカヤドカリを観察しに行くんですけど、特定の場所にいくと、外来種である「アフリカマイマイ」を背負った中〜大型のムラサキオカヤドカリを何匹も見かけるんですよね。
ムラサキオカヤドカリだけではなく、なかなかいいサイズのオカヤドカリもアフリカマイマイを背負ってました。
にっちもさっちもアフリカマイマイです。
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増殖した外来種の大型カタツムリ「アフリカマイマイ」
アフリカマイマイは、アフリカ原産の非常に大きなカタツムリ。
戦前あたりに、食料として沖縄に持ち込まれたのですが、戦争で野外に逃げ出したものが一気に増殖して、沖縄中にいるそうです。
アフリカマイマイは繁殖力が非常に高い生きもので、沖縄だとその辺にたくさんいます(最近、駆除によって減らせた場所もある)。
しかも寄生虫をもっているらしく、下手に触ることもできない。
食用なのに寄生虫つきって……。
まったく妙な生き物が沖縄に増えてしまったもんだ
人間としてはそう思うところなんですが、宿貝難のオカヤドカリにしてみれば嬉々としたニュースなのかも?
オカヤドカリにしてみれば量産型の新素材住宅?
アフリカマイマイの殻は薄くて軽いです。
強度はそんなになさそうですが、とにかく軽い。
オカヤドカリの大型サイズがよく背負っている「チョウセンサザエ」の貝殻なんかと比べると、よっぽど軽い。
そんでもってとにかくその辺に落ちているんですね。
住宅難のなかにこの量産型な貝殻たち!
オカヤドカリたちからすると驚くほど手に入れやすいイノベーション宿貝といってもいいかもしれない。
そんなわけでアフリカマイマイの殻は、彼らにとっては新素材住宅ポジション。
「外来種は自然バランスを崩すので宿貝として使わないように!」なんて、彼らが警報を鳴らすことも、もちろんありません。
足りないはずの宿貝がアッチコッチに落ちているんですから、飛びつく勢いで、利用されまくっているって状況ですね。
はたから見ていると、なんとも……。
でもマーケットに踊らされる庶民の心がよくわかってしまう私には、「わかるー」以外に、彼らにかけるうまい言葉が見つかりせん。
あぁ、余計になんとも言えないやるせなさが。
アフリカマイマイの多い海辺のエリアには中〜大型が多い気がする
そんな訳で、特定のエリア(=アフリカマイマイの多い海辺のエリア)は、中〜大型のオカヤドカリで賑わうエリアとなっているようです。
海浜公園とか、こんな護岸工事された場所にオカヤドカリいるのかなぁって場所に、けっこうデカイのが歩いてたりします。そして、そいつらは、だいたいアフリカマイマイ背負ってます。
もしかしたらアフリカマイマイバブルのおかげで、ここ100年くらい沖縄の中〜大型のオカヤドカリたちは増えているかもしれませんね。
意外と快適な暮らしをしているのかもしれない。
かといってアフリカマイマイを肯定する気にはまったくならないですが。
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