サイトは一部アフィリエイトを含みます。

【自由研究】沖縄の用水路にやたら泳いでいる魚を捕まえてみる[罠の解説付き]

用水路

わがやの近所には、川(というか用水路)がいくつも流れています。

下流にあるからなのか、農業用水路だからなのか、あまりキレイな川ではないのですが、ちょこちょこが泳いでいるのを見かけます。しかも群れで。

「なんの魚かなぁ。ボラかなぁ。でもここ川だよな」くらいに見ていたのですが、だんだん気になって気になって仕方なくなってきました。

用水路は汚なめ

こんな泥だらけで汚そうなところですが、大量の小魚がぴょこぴょこ跳ねたりしているのです。

好奇心が抑えられなくなった私は、「夏だし、8月だし、自由研究もいいな」と思い、ちょっくら魚を捕まえてみることにしました。

スポンサーリンク

作戦① まずは網ですくう

用水路に泳いでいる魚は群れをなしていますが、一匹一匹は3cmくらいの小魚。とりあえず簡単なのは、タモ網ですくうことだなーと思い、網を買うことに。しかし…。

ピノ子さーん、魚をすくいたいから網買っていい?

嫌です♪

はーん!

わがやのミニマリスト、ピノ子さんに秒速で却下されます。

ただの網だよ?200、300円だぜ?

値段じゃないの。せっかくキレイにした部屋に網なんて!

そうです。我が家は最近DIYにはまっており、おしゃれなテーブルを自作してレイアウトしたばかり。二人とも満足気だっただけに、そのおしゃれ空間にタモ網なんぞを置きたくない状況だったのです。まぁ気持ちは分かる。

とはいえ好奇心が抑えられない、私、みなみのひげ。

水槽用の網

妥協案として、水槽の魚をすくう小さな網を150円くらいで購入してすくってみることにしました。これなら車の端っこにでも積んでおけば問題なかろう。

いざ!魚すくい!

よっしゃ!

魚すくいのヒゲ野郎と呼ばれた(←呼ばれたことない)、この実力で、あっという間に小魚の正体を暴いてやる!

届かへん

……。

網、届かへん。

致命的なミスを犯していました。水面まで1m弱。網の長さ20cm。届くわけないです。頭パッパラパーなんじゃないかって、三十路過ぎて初めて思いました。

しかし諦めたくない。頭の中には24時間テレビのマラソンのゴール前で流れる系の音楽が鳴り響いています。

やるしかない!

川に降りる!

ぐぬぬ!

降りた!

ぐわー!やだー!汚ねー!

川に降りて、魚をすくうことにしました!変な匂いのする川。生活排水とか流れてたらマジで恨みます。

もうここまできたら、すくうしかない!

すくうぞ!

うまいこと網を魚の群れに近づけ、スピーディーに手首をスナップ!

すくいまくる!!すくいまくる!!すくいまくるーーーーーー!!

とれへん。

魚、むちゃくちゃ速い。速すぎる。

野生ってすごいですね。写真じゃ見えないでしょうけど、実はこの狭くて浅い川に100匹近い小魚の群れがいるんですよ。網を振ればなんか入るってくらいいるんです。でも全部が全部、華麗に網をかわしていく……。

野生の小魚からしたら、私の気合いのスナップなんか、あくびが出るほど遅いみたいです。

しかし私には「次なる作戦」がある…

小さな網ですくえないなら、やはりタモ網ですくうしかない!

そう思った私は、釣具屋に行って伸縮する網を買おうと試みました。

しかしながら、あいにくの品切れ

3000円以上する「生け簀用の網」なら伸縮するものがありますと、店員さんに言われましたが、小魚にそんなお金をかけている場合じゃない。悩んでいると「何用ですか?」と追い討ちのごとく聞かれ……。
さすがに用水路の小魚をすくってみたいだけだとは、恥ずかしくて口に出せず。

網なのに八方ふさがりとはこれ如何に。

作戦② ペットボトルの罠を仕掛ける

しかし、私だって伊達に30年も生きているわけではございません。

なんてったって私はデザイナー!クリエイティブで鍛えた知恵があるのです!

さぁ私の鍛え上げられたクリエイティブシンキングよ!

存分にその力を発揮するがいい!

とりゃー!

ペットボトルを使った罠

ポロリン。

必要は発明の母。
家にあるペットボトルで魚用の罠を作ることができました。

ペットボトルを半分にして口の部分を逆さにするだけで、罠になります。口の部分に入れるけど出られない蓋をすれば完成!素晴らしい!

自分、天才なんじゃないかって思いました。

しかしながら、せっかく作ったペットボトル罠の写真を撮り忘れたことと、エサでも入れない限り魚はペットボトルなんかに寄ってこない(し、何がエサかもわからない)こと、2つの悪い出来事が起き、結局、魚は捕まりません

悔しい。
悔しすぎる涙

それでも世の中、悪いことばかりではありません。

失敗は次なるアイデアを呼びます。

とうとう、アイデアの神様が降臨するのです……。

作戦③ ビニール袋の罠を仕掛ける

ペットボトルの罠はエサが必要でしたが、エサがいらない罠もあるはず。

用水路

水面を見つめ、しばし考えます。

魚たちは私が顔を出すと、すばやく泳いで物陰に隠れます。ちくしょー悠々と隠れやがって。

……はっ!

よし!

隠れ家に見せかけた罠」を作ろう!

ビニール袋の罠

ポロリン。

できました。ビニール袋の罠

スーパーのビニール袋を隠れ家がわりに置いておき、1時間放置。慣れてきた魚がビニール袋に隠れたところを、ビニール紐で引っ張り上げて捕らえるのです!

2回目ですが、自分、天才なんじゃないかって思いました。

今度はちゃんと写真も撮りました。

ビニール袋の罠
うん。

ゴミみてぇ。

まぁでも捕まえられれば良いんです。

引き上げる用の紐
ちなみに用水路沿いのガードレールに紐を引っ掛け、魚の死角から一気に袋を引き上げられるようにしました。完璧だ。

ウキウキしながら1時間放置。

 ・

 ・

 ・

(1時間後)

一気に引き上げる

さぁ、魚の死角から、一気にビニール袋の罠を引き上げますよ。

引き上げる

ザバっ!水が重い!

水が出て行く

しかし竹串で開けた穴から水が出ていく!魚が入っていれば、これで捕まえられているはず!

必死に魚を探す

ビニール袋をニヤニヤといじる私。
他人から見ると、用水路のビニール袋ゴミを拾って、なぜかウキウキしている怪しいおじさんです……。おまわりさん、今はこないでください。お願いします。

なりふり構ってはいられません。

大事なのは魚です!

そう魚!

どうだ!

魚!

いるのか!!!?

いないのか!?

どっちなんだー!?

あーーー!!!!

な、な、な、なんと。

袋の中には2匹、小魚が捕まっていました!

やったー!
とうとう捕まえたー!

なんと小魚の正体は…

一旦、自宅に戻り魚を透明な入れ物へ。

捕まえた魚

激写!
これが近所の用水路に群れていた小魚です。

さて一体、魚の種類は何なのでしょうか。調べてみると、その正体にびっくり!

外来魚の「ティラピア」だったのです。

ティラピアの原産国は「アフリカ」や「中近東」…。

なぜこんなところに!?

持ち込まれた魚が野生化して繁栄している

沖縄では熱帯魚が野生化しているという有名な話がありますが、実は、その中でもあちこちで繁殖してしまい困っているのが、この「ティラピア」なのだそう。
この魚、寒さに弱い以外は、飛び抜けて頑丈でパワフルです。

  • 工業排水が流れる汚い水質でも生きていける
  • 淡水魚なのに2倍濃縮した海水でも生きられる
  • 低酸素に強く小さな水場でも生きている
  • 雑食で植物でも肉でも何でも食べる
  • 年中繁殖する
  • 成長スピードが速く1、2か月で20cm以上に成長する
  • 体調が最大で50cm以上になる

ざっと調べただけでも、規格外の強さ、適応力。

一応、東南アジアの国によっては一般的に食べられるくらいおいしい魚だそうで、味はタイに近いんですって!
(きれいな水でちゃんと養殖すると本当にウマいらしい。)

そのことから、日本にも食用に持ち込まれたそうです。が、あまり大衆には好まれず。逃げ出したティラピアが繁殖してしまい、全国の温水域(温泉地の川とか)にいるそうです。

そのなかでも沖縄は温暖でティラピアに弱点なし状態。那覇の街中の川から北部の清流まで、本当にあちこちに生息している模様。

あの100匹近い群れが、全部ティラピアだったのかと思うと、外来魚の凄まじさを感じました。

確かに強いティラピア

ピノ子さんが早々に家族って言っていますが、私の自由研究です。

本当にティラピアが頑丈なものかと、試しに、2匹を酸素の少ないであろう瓶に入れてみました。同じサイズの金魚ならよっぽどマメに水換えしないと死んでしまうサイズ。

2日経過した今も、余裕で元気。

次にこのまま、直射日光の当たるベランダに置いて、水温を上げまくってみました。

超元気。

むしろ調子良さそう。

しかも人に慣れるのも早く、捕まえた次の日には餌を食べました。
(普通、魚は環境が変わると2、3日は餌を食べない)

間違いない。こやつ、、強い

ティラピアは爆発的に増えて、もともとの固有種を駆逐してしまうため「要注意外来生物」に指定されています。間違っても放流はできない(←絶対ダメ)し、どうしたら良いか困ってしまいますね。

用水路には意外とたくさんの生き物が生息していた

いやぁ真っ黒な泥の川だからティラピアだけかと思ったら、他にも生き物がいました。

カニ

(多分)モクズカニとか(←罠にかかってた)。

カメ

ミシシッピーアカミミガメとか(←これも外来種)。

あと、カニ、カメ以外にも「タケノコカワニナ」という巻貝もいました。

どうやらここ、汽水域(海水と淡水が混じるところ)のようです。カニとカワニナで分かりました。ここの用水路は海が近いので、潮が満ちると海水が逆流してくるらしく、海の泥と川の泥が混じっているようです。
なるほど、変な匂いは磯の匂いだったのか。

本当、生き物の多さにびっくりです。
沖縄って生き物の楽園ですね。用水路に熱帯魚とか。なかなかすごい発見だと思います。

8月も半ばを過ぎました。小学生のみなさん、保護者のみなさん、「ビニール袋の罠で自然観察」いかがですか?

自由研究をやっていなかったら、近所の川などで、ぜひとも「罠」を試してみてくださいねー!

※用水路は汚いので衛生上おすすめできません。

閉じる