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マガジン「沖縄で家づくり」読んでみてね!

沖縄県民が千葉で台風15号に直撃して考えたこと

壊滅したわが家の畑

台風で壊滅した実家の畑

私は現在、沖縄県民ですが出身は千葉県。

千葉県の実家に帰省したところ、みごと台風15号に直撃しました。

台風と実家帰省が重なり、現在も続く千葉の大停電と遭遇してきました。
今は沖縄に帰ってきています。

今回の台風は沖縄に住んでいる身としては、「沖縄並み」な強さで直撃したこともあって、被害状況や今後の準備について、いろいろと思うところがありました。

散文的ですがいくつか書いておきます。

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ヘクトパスカルを見て「強いな」ってわかる人とそうじゃない人がいる

千葉県の人は「なに言ってんだこいつ」と思うことでしょう。しかし九州、沖縄あたりの人はヘクトパスカルの数字を見ただけで、台風の強さをなんとなく把握します。

hPa ヘクトパスカルって?

  • 990hpa
  • 940hpa

はい、九州・沖縄の人、いかがでしょうか?

上の990だったら「ほどほどかな」、下の940だったら「おぉ、強いな」と思うんじゃないかと。

実家でテレビを見ていて、私の家族は「台風がくる」とは何度も言ってましたが、台風の強さについては「強い…のか?」といった具合で話題にあがってませんでした。

知らなきゃダメとかそんな話しじゃもちろんございません。台風の頻度が違いますから台風リテラシーも当然、違うんだなぁと感じた次第です。

ちなみに今回の台風は千葉県を通る直前で955ヘクトパスカル

沖縄県民でも「おぉ強いかも」と思う数値ですし、最大瞬間風速も50メートル以上と、史上最高を上回る地域も出てくるだろうと言われていました。

関連940hPaは強い?弱い?台風でよく見る「ヘクトパスカル(hPa)」を簡単に理解する

※正確にいうとヘクトパスカルだけでは台風の強さは決まりません。でも、なんとなく強さを予想するヒントには使ってます。

庭の物がしまい切れないし、雨戸はないし、そもそも木造

前日、台風の対策をするのですが。

庭のもの、どこにしまったらいいんや…

そもそも台風のために庭の物をしまう概念がないのでしまう先がないのです。

台風でモノが飛ぶ

台風で飛ぶから、庭の物はしまうのが鉄則ではあるんだけど…

関連沖縄ではさ、台風がくる前にとりあえず「外」に出してたものしまおうな。思わぬモノ飛ぶからな

とりあえず物干し竿などはしまえましたが、大きめの植木鉢なんかはそのまま。わが家は田舎の農家でニワトリ小屋なんかもあったのですが、当然、しまえませんでした。

雨戸も閉めませんでした。(←古くて錆びついて閉められなかった。)
そして思いっきり木造。

沖縄だったらけっこうドキドキする状況です。

でもまぁ千葉県だし、そこまで強いのこないだろう

私も含め、全員、そう構えていましたね。ニュースでは静岡方面に直撃し、千葉県はかする程度といわれていたので余計に安心していました。

しかし結局、千葉県側に台風が進路変更し、わが家は思いっきり台風が直撃しました。

沖縄並みだけど、沖縄より怖い

深夜3時頃から風と雨が強まり、台風がきました。

感じたことは…。

台風怖い

命の危機を感じたのか、1歳の息子はお母さんではなく、お父さんに泣きついてきた

沖縄で遭遇するよりめっちゃ怖い!

台風対策された住宅じゃないので、地震のように揺れるし、隙間風もすごい。しかも外にはしまい切れなかった物がたくさんあるし、雨戸つけてないし。

トタンが風で飛んできて、窓ガラスが破れる夢を見た…

今回の台風を、沖縄でふだん直撃する台風と比べると、風は同等に強かったものの、雨はそこまで多くはありませんでした。あくまで沖縄と比べるとです。雨も風も十分、すごかった…。

それでも窓ガラスに叩きつける雨は恐怖だし、風で何かが飛ぶ懸念が怖すぎて、全然、眠れませんでした。息子も怖くて起き出してしまい、半泣き状態で朝を迎えました。

ちなみに台風は深夜から朝にかけて通り過ぎていきました。2、3日かけて北上する沖縄とは違って、いきなり風が強くなるし、過ぎ去るのも早いなと感じました。

ちなみに、実家の台風後の写真をいくつか。

台風被害

蔵の土壁が崩れ落ちた

台風被害

裏の土手がプチ土砂崩れ。農機具小屋がちょっと埋まった。

台風後の息子

台風後の増水に興味津々な息子

台風の進路変更に勘が働かない

台風の進路変更について。
私は沖縄にいたら地図を見てなんとなく「進路変わるかもなー」とか想像がつくのですが、関東の土地だとさっぱり想像がつきませんでした。

地形や風の動きについて、知見も経験もない

所変わればなんとやらでした。

おかげで実家は直撃を受け、畑が半壊状態。家の雨樋や植木鉢が壊れまくり、ニワトリ小屋が倒れて、朝、ニワトリが悲鳴をあげていたり。農機具小屋の屋根も一部、めくれあがっていました。

窓ガラスは割れずに済みましたが、運が良かっただけだと思います。

近隣では荷物コンテナ屋さんのコンテナが倒れまくり、数十メートル先に飛んでいたりと、被害がたくさん出ていました。

今回の台風の風の強さが、地域の予想をはるかに超えていたことがよくわかります。

杉や竹は強くないので、台風で倒れまくる

実家の周辺では、大きな杉の木が倒れ道を塞いでしまったり、土手に生えた竹が地面ごと滑り落ち、道を塞いだりする現象が多発していました。

関東の里山にはがたくさん植えてあります。
けっこうサイズも大きく育ち、立派なのですが、杉はそこまで頑丈で強い木じゃないんですよね。台風なんて彼らからすると想定外の風の強さ。

竹も根は強いのですが、同様で、一斉になぎ倒されているところをよく見かけました。

沖縄に住んでいると台風後の倒木は普通です。

だから倒木で道がふさがるってことも、よくあること。周知の事実なので対応も割と早いです。しかし、千葉県にいて台風の倒木の対応なんぞ十数年に一回あるかないかの話なので戸惑いました。

家によっては倒木で道を塞がれ、車で外出できず、陸の孤島状態になっているところも

大規模な停電。なにより困ったのは断水中のトイレ

思いっきり停電しました。

千葉県は60万件を超える大規模な停電が起きました。
この記事を書いている今も(停電から4日目)、復旧作業が続いており、停電続行中です。

実家が停電に直面して、起きた問題はこんな感じ。

  • 照明がつかない
  • 2階の水道がでない
  • エアコン・扇風機が使えない
  • 2階のトイレが流れない
  • 冷蔵庫がつかえない
  • 洗濯機が使えない
  • 携帯が圏外(電波塔が機能停止)
  • 携帯が充電できない
  • 近隣の数少ないスーパーが閉店

ちょ、超絶、不便すぎる…

しかも台風一過で気温は35度とかになるし(←沖縄より暑い)、熱中症が深刻な心配ごとでした。

不幸中の幸い、実家は農家をやっていて、みんな暑さに強い(停電する前でもエアコンを使う習慣がなかったらしい)のと、横井戸といって生活用水を地下水から引いていたので水も出せました。あとガスなので調理もできました。オール家電にしてたら大変だったかも。

トイレが使えないのは地味だけど、超ヤバイです

だってトイレは停止できませんからね。
しかも流すのに水もたくさん必要。流さなかったら衛生的にも臭いも悲惨な状態になります。

実家は幸い使えて、本当に助かりました。良かった。

昭和初期の暮らしがミックスされた生活

停電すると本当にあらゆる家電が使えなくなるので、部分的に昭和初期の頃の暮らしみたいになってました。

ろうそくで火を灯し。
ごはんを鍋で炊き。
洗濯は手洗い。手絞り。
日陰を探し、うちわで仰ぐ。
水風呂。
氷は買ってこないとありません。

実家は80代で現役農家の祖父母がいます。昭和初期の暮らしは経験済みなので、停電の状況にもわりと慣れており、なんだかんだ暮らせていてすごいなと感心して見ていました。

復旧の見通しはできなくて当然だと思った

現在も千葉は停電中。

断水が起きた場所ではトイレがすごい不便だし、各地のお店も住民も、こう言う事態はほとんど起きたことがないので戸惑い、疲弊してきています。暑いし余計、疲弊します。

また電波塔が機能せず、場所によっては圏外になりインターネットでの情報収集や安否連絡もままなりません。ちなみに私の実家も圏外になり、非常に困りました。

今朝、ツイッターでこんなニュースが上がっていました。

東電の停電復旧の見通しは最初、11日中と言っていたところ、現在も復旧作業が続いています。ツイッター上で「ここまで否定するのはおかしい」という声があがっていますが、たしかに、ここまで予想外だと見通しもつかなくて当然だろうなと思います。

何しろ電力会社だって自分のところの設備を直すのは得意でしょうけど、そこに行くまでの道に木が倒れてたり、土砂崩れしてたりしますからね。スマートに対処できなくて当然でしょう。

現場で復旧するスタッフのかたがたも、4日目となると疲弊してきていると思います。焦りと不安が募るところです。

このあと、停電が長期化することが怖い

私と妻と子どもは台風がきたすぐあと、10日に帰宅の予定があり、(交通状態も大変だったけど)なんとか沖縄へ戻りました。

ちなみに、その時点では、

停電が大変だけど、明日までには直るだろうな

と見込んでいました。現在、12日。ぜんぜん直りません。

今回の台風の最大瞬間風速は千葉市で50メートルを超え、観測史上で最も強い風が吹いたと報道されています。

各所で予想外の事態が起きているのだと察されます。

実家には私の兄が残ってくれているのですが、家族は圏外なので連絡も取れず。心配になってきました。
(停電とはいえ電気が来ている場所もあるので、車で通信できる場所へ移動して、安否報告はしてくれた。)

停電が長期化することによって、熱中症のリスクが増えたり、物資不足が起きたり、体調を崩してしまう人も出てくるでしょうから、そのへんが怖いですね。

でも正直、緊張し過ぎないで過ごした方が良いです。
私が沖縄住まいでなんくるないさー精神が出てきたせいもありますが、極度の不安はかえって良い結果を招きません

肩の力を落とし、変に我慢せず、胆力をもって構える。
それが災害被害を拡大させないためにも大切だと思います。

沖縄の台風対策が本州に輸出される日が来そう…

ポツポツと思うところを書きました。

思ったことは「本州の沖縄化」です。

なんだか気候が変わってきているとは、よく世論で言われることですが、たしかに育った身としても最近の千葉県の暑さや、今回の台風のような事態をみると「夏場が亜熱帯化してないか?」と勘ぐってしまいます。

そうなると、台風対策のノウハウが沖縄でも本州でも必要とされるようになりそうな予感がします。

災害が起きると、本当に大変です。
色々なことがストップするし、体力的にも疲弊し元に戻るまでに多くのエネルギーが奪われてしまいます。

災害を最小限にしてひょうひょうと生きる術。
いくら便利になっても、日本ではこれからも必要なことだなぁ、と強く思った台風でした。

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